アルテ 11 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが画家であるレオの弟子として画家を目指す物語。
スペイン、カスティリア王国の王女、イレーネの肖像画を描くことになったアルテ。
彼女は肖像画の為に彼女の本心が知りたいと、彼女について知る為高級娼婦ヴェロニカのもとを訪れます。
冒頭あらすじ
ヴェロニカの蔵書を調べイレーネについて少しでも分かればと思ったアルテだったが、本には彼女の母親について少し乗っていただけだった。
ヴェロニカに礼を言い館を後にしようとしたアルテは、あ去る前にヴェロニカに質問する。
彼女の質問、それは相手の心の内を引き出す方法だった。
それに対してヴェロニカはまず自分をさらけ出す事と語った。
更に人の心を知るのに自分の本音を隠したままなんておこがましいと続けた。
ヴェロニカのアドバイスを受け、アルテは以前話すのを止めてしまったレオについてイレーネに語った。
レオの厳しさ、優しさを語るアルテは、とても楽しそうでとても幸せそうだった。
そんなアルテを見てイレーネはどうしてレオに愛を告白しないのか尋ねる。
アルテはかつてヴェロニカに言われた恋に溺れる事の危険性を語り、昔は高級娼婦だった女性が恋に溺れ最下級の娼婦になってしまった事を話した。
それを聞いたイレーネはその女性がどうして不幸だと言えるのかとアルテに問い、彼女に会いに行くと言い出した。
イレーネはアルテに恋は素敵なものだと証明して見せる、そう言い切った。
感想
イレーネの考え方は現代では特におかしなモノだとは感じません。
ですが当時の王侯貴族の女性としてはかなり異端な考え方でしょう。
イレーネは身分や職業、男女の違いなどでは無く、あくまで人の心を優先して考えている様に思います。
冒頭の娼婦の話でもそうですが、彼女はどのような結果になってもその時の想いは本物でそれは誰にも馬鹿にされるような物ではないと、真剣に人を愛した貴女はとても素敵な人だと娼婦ナンナに語ります。
形式や家柄が重要視される貴族社会でこのような考えをもつイレーネは、自分を殺して生きてきたのでしょう。
真っすぐに人の愛は最高の物だと言い切るイレーネはとても強い女性だと感じました。
まとめ
今回はアルテの幼い頃の姿も描かれました。
ユーモラスな父親と、優しく厳しい母親、そしてヤンチャなアルテの姿はとても微笑ましいモノでした。
お読みいただき、ありがとうございました。