BEAST of EAST ビーストオブイースト 2 バーズコミックスデラックス
著:山田章博
出版社:幻冬舎
藻を九尾に奪われた鬼王丸は、王仁王丸と名乗り地獄町と呼ばれる、歓楽街の顔役に収まっていました。
一方、藻の体を乗っ取った九尾は、天子に取り入り名も玉藻前と変え、朝廷の中で力を振るうようになっていました。
あらすじ
鬼王丸は表向きは歓楽街の顔役として活動していたが、裏では一緒に脱獄したアーマッド達と共に、盗賊家業に励んでいた。
光栄を通じて知り合った藤原純友から、玉藻前が遥々、天竺より何かを取り寄せたと聞いた鬼王丸は、それを奪うため行動を開始する。
将門の介入で盗みは失敗したが、箱の中身は髑髏の瓔珞(首や胸にかけた装飾品)だった。
仲間の一人、九尾の首に食いついていた方士から、髑髏はその昔、九尾が天竺にいた頃に首を刎ねた千人の僧の物の一部だという。
それは霊力の依り代としては最高の物らしい。
瓔珞は玉藻前から道満の手に渡り、彼は巨大なゴーレム「加羅倶利将軍」を完成させる。
加羅倶利将軍は作る際にも、動かす際にも大地に毒を垂れ流し、それは地霊であるドワーフを狂わせ、天は雨を降らす事がなくなった。
事態を重く見た清明は、朝廷から玉藻前を排除するため、彼女に雨乞いをするようけしかける。
玉藻前はそれなら二人で雨乞いをして、どちらが雨を降らす事が出来るか競い合おうと提案する。
玉藻前が負ければ京をさり、清明が負ければ蟄居閉門は免れない。
互いの進退をかけて雨乞いは始められた。
感想
鬼王丸、玉藻前、清明、将門、彼らの思惑を乗せて物語は進んでいきます。
キャラクタたちの中で、鬼王丸は言わずもがなですが、彼の仲間達も魅力にあふれています。
アラビア人のアーマッド、ヴァンパイアのリーゼンドルフ、山猫の獣人マレー、そしてカラスに寄生した方士。
彼らの過去をリーゼンドルフが語るシーンでは、たった一コマだけでその場の空気まで想像できました。
漫画は、ストーリと絵の力が駆け合わされば、文字だけでは表現できないものを一瞬で伝える事ができます。
それは時に描かれた以上の物を読者に感じさせます。
改めてすごい発明だと感じました。
まとめ
今回は終盤で玉藻前と鬼王丸が再会します。
玉藻前は九尾が入り込んでいるのですが、藻の心も完全に死んではいない様でした。
魂は肉体に引っ張られるという話を、すこし思い出してしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。