赤ずきんの狼弟子 月への遺言 1
著:茂木清香
獣人、人間、狩人、三種の人が住む世界で、本来狩る側と狩られる側の二人が師弟になる物語。
この作品は同人誌として発表された物で、ウルとマニが出会う前、ウルの毛皮の持ち主であった喧騒(スコル)という名の獣人のお話です。
冒頭あらすじ
トロル山脈の麓の街「べルツェルン」に二人の旅人が訪れた。
女性と子供の二人連れ、彼らは立ち寄った露店で、西の森を通って都に行くと話す。
露店の店主はそれを聞いて二人を止める。
西の森には、凶暴な獣人が住み着き、通る人間を襲っていると言うのだ。
旅人の少年は獣人と話してみると口にする。
彼は自分が知っている獣人は、良い人ばかりだと話す。
それを聞いた店主は獣人に知り合いでもと言いかけるが、その言葉を遮る様に西の森で爆発が起こった。
時を置かず街に獣人たちを担いだ男が現れる。
彼は狩人、獣人を狩る事を運命付けられた種族だ。
人々が狩人の姿を遠巻きに眺めるなか、まだ息のあった獣人が狩人に襲い掛かる。
一撃のもとにそれを屠った狩人だったが、強い殺気を感じ、そちらを伺う。
そこには先ほどまで旅人がいたはずだが、いつの間にか二人は忽然と消えていた。
草原を旅人が駆けている。
女性が少年が狩人に殺気を向けた事を注意している。
彼女は遠吠えを聞き、狩りの合図だわと呟き、頭のスカーフを外した。
二人の頭には獣の耳が乗っていた。
少年の名はハティ、人狼族の少年だった。
感想
人狼族の族長の孫である双子の兄弟の兄、スコルがこの物語の主人公です。
彼は弟のハティが人狼族の成人の証である〈獣化〉と〈狩猟〉を成功させ、成人したことで焦りを感じます。
彼の物語がどのようにウルとマニに繋がるのか、とても気になります。
まとめ
作者の茂木さんもツイッターで書いている様に、講談社から出版された物の前、ウルとマニが出会う以前のお話です。
人狼族がどういう運命をたどったのか。
コミックでも登場したハティが、どうして記憶を失ったのか等の謎が今後語られる事になると思います。
今回の作品はその導入部にあたる物でした。
今後どうなって行くのか、とても楽しみです。
茂木清香さんのツイッターはこちら。
作品はBOOTHのもぎ屋及びメロンブックスのもぎ屋からご購入いただけます。
こちらは同人誌ですので、在庫切れの場合は再販をお待ち下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。