アルテ 16 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
アルテがカスティリアへ亡命して八年が過ぎていた。
その間にイレーネ(カタリーナ)の兄、スペイン皇帝と旧知の仲だったローマ教皇が倒れ、新たな教皇が立ったが、新教皇はスペイン皇帝に対し警戒感をあらわにした。
イタリアはその事で二つに割れ、レオのいるフィレンツェはスペインとの対決姿勢を強める。
また、その事でアルテに無実の罪を着せたシルヴィオ枢機卿は、フィレンツェを亡命していた。
そんなイタリア、フィレンツェの混乱に乗じて、アルテはレオに会う為、カスティリアを出てイタリアへと向かう。
登場人物
フランコ
アルテの護衛役の一人
金髪でよく笑う青年。
護衛役のリーダー、グイドの幼馴染。
感が良く航海中、海賊船をいち早く見つけた。
セシリオ
アルテの護衛役の一人
バンダナ髯の男。
バルバリー海賊の使う曲刀を愛用している。
パコ
アルテの護衛役の一人
金髪糸目の青年。
護衛役の三人は全員気さくなアルテとすぐ打ち解けた。
あらすじ
フィレンツェでは罪人であるアルテが、彼の地に赴くには戦争により秩序の失われた今しかチャンスは無かった。
優秀な宮廷画家として、そしてその人柄も高く評価しているイレーネや、彼女の側近アスセナ、アルテの身の回りの世話を焼いてくれた召使いのエリサとステラも別れを惜しんでくれた。
そんなカスティリアを離れ、アルテは護衛のグイド、フランコ、セシリオ、パコの四人と共にガレー船でジェノバへと向かった。
護衛のリーダー、グイドは貴族のアルテが設備の悪いガレー船に乗るのを渋るのではと考えていたが、アルテはすんなりとガレー船に乗る事を了承。
護衛の三人とも一瞬で打ち解け、自ら口にしたように船の仕事を手伝い始めた。
そんなアルテの姿を見て、グイド自身もアルテの事を気に入り始めていた。
感想
前巻ではカスティリアでの生活が描かれるのかと思っていましたが、この巻ではその辺りはすっ飛ばして、戦争中のイタリアへの帰還の模様が描かれる事となりました。
中世、大航海時代、地中海のみならず大西洋を行き来する船も多いこの時代は、海賊が提督として成り上がれる時代でもありました。
この巻でもアルテ達の乗った船は海賊の襲撃を受け、アルテは人が殺される場面を目の当たりにします。
罪人にされかけたりはしましたが、割と平和に暮らして来たアルテ。
そんな彼女が戦中のイタリアで何を見るのか、次も楽しみです。
まとめ
戦争の準備を着々と行うフィレンツェ。
そのフィレンツェで仕事を続けるレオ。
アルテはレオに会えるのか、その道中は……先が気になります。
この作品はコミックゼノン公式サイトで第一話が無料でお読みいただけます。
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