大正忌憚魔女 1 MFC キューンシリーズ
作:うさみみき
出版社:KADOKAWA/MFC
時は大正時代。
魔術の研究のため日本に派遣された小さな魔女の物語。
登場人物
夜迷(よまい)
西洋の魔女の村から日本にやって来た魔女
黒髪ツインテールの小さな女の子。
魔女は人々の願いを聞き、魔術によって問題の解決をなす事を生業としているが、日本の人々には魔術で人を呪うと忌避されている。
日本に住まう八百万の神々の影響か、魔術が正しく行使されずその影響で夜迷は住民たちに疎まれる存在になってしまう。
雅鳳麟(がほう りん)
女学校の学生
ロングヘアーにリボンの少女。
何事も自分の目で見て判断する事を信条としており、世間で語られる魔女の噂の真偽を見極めるため、夜迷に直接会いたいと願っていた。
夜迷にとっては日本で初めての知己となる。
影藤硅(かげふじ けい)
麟の先生で小説家の青年
長髪の気難しそうな美青年。
歯に衣着せぬ物言いだが、麟と同じく自身で見聞きしたことで人や物事を判断する。
あらすじ
西洋の魔女の村から大正時代の日本へとやって来た小さな魔女、夜迷。
彼女は魔女の店の支店の開業の調査もかねて、研究のため日本へとやって来た。
しかし、魔女の悪い噂を信じた日本の人々は夜迷を呪いで人を害する者と信じて彼女を忌み嫌っていた。
また、西洋とは違い八百万の神の住む日本では、魔女の術はまともに使う事が出来ずその事も夜迷の立場を更に悪い方へと進ませた。
だが彼女はそれでも懸命に人に寄り添い生きようと一人研究を続けていた。
ある夜、月の魔力を取りに出た夜迷は、術を暴走させ夜空に巨大な狐の幻を生み出してしまう。
「もしかして日本だと、素材だけじゃなくて唱える呪文も変わる…!?」
一歩研究を進めた夜迷だったが、夜空を飛ぶ狐は魔女の仕業だと新聞で報道されてしまうのだった。
感想
人々に忌み嫌われ、嫌がらせを受けながら腐らず懸命に生きる夜迷。
そんな彼女の心根の美しさと優しさを認め、親交を深める少女、麟。
物語は魔女の夜迷が色々失敗を重ねながらも、自分を信じてくれる麟を寄る辺に大正時代の日本で生きていくお話です。
人は見慣れないものを警戒し、ともすれば排除する生き物のように思います。
今よりも人々が信心深かっただろう大正時代なら、それはより顕著なのではないでしょうか。
馴染みのない西洋の魔術。
魔女にまつわる噂。
事故による魔術の暴走もあいまって、彼女を危険視し排除しようとする人間も登場しました。
ただ、麟だけは偏見される事を受け入れる夜迷を諭し、彼女が人々に受け入れられる道を探そうと協力を申し出ます。
夜迷は彼女の望み通りに日本で生きていく事が出来るのか。
夜迷と麟、二人の今後が楽しみです。
まとめ
この巻の終盤、魔女が嫌いだと公言する小説家、影藤硅が登場しました。
有名な小説家で民衆にも影響を持っている影藤の言葉で、夜迷への嫌がらせは取り合えず表立っては無くなった模様。
ただ、そう簡単に魔女に対する印象は変わらないようで……。
次巻、どんな展開になるのか読むのが楽しみです。
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お読みいただき、ありがとうございました。