ヘルハウンド 2 アフタヌーンKC
作:皆川亮二
出版社:講談社
戦乱の続く世界から生身のまま現代日本へ転移した新米傭兵のショウ・ザンマ。
彼は敵だった犬をベースにした生体兵器、ハウンドのヘルと元の世界へ戻るため協力関係を築く。
そんなショウ達を、同じ世界から植物人間となり渡ってきた者達は危険視し刺客を送り込む。
ショウ達は知り合った大学生グループの喧嘩に付き合っている最中、その刺客、恩時(おんとき)の襲撃を受け……。
登場人物
恩時(おんとき)
浮世の峽(はざま)と呼ばれる蓮の花のようなゲートを潜り、現代日本にやってきた男
異界へのゲート、蓮神の研究者。
黒髪の太ったおじさん。
末期がんを患い、自らが実験体となり蓮神を潜り抜け現代日本へとやって来た。
その際、種を核とした植物人間となる。
家族同然の犬、ヨーゼフも共に蓮神を抜けたため、ヨーゼフも植物生物となっている。
ヨーゼフ
恩時の愛犬
セントバーナード。
主人の恩時と共に自分たちとは違い、生身のまま日本にやって来たショウとヘルを襲撃する。
西崎(にしざき)
グループを武闘派にした北崎に反発し、ショウを使いクーデターを画策していたが、恩時の乱入でその計画もうやむやになる。
金髪ツンツンヘアーの大学生。
その後、植物人間の脅威を目の当たりにしたことで、北崎と共にショウに協力することに。
浅山南(あさやま みなみ)
西崎の従妹
眼鏡で茶髪ポニテの女性。
大学では理工学部に所属しているが、マルチバース(平行世界)のような現在の科学で分析出来ないスピリチュアルなものについても造詣が深い。
理工学部の学友たちとショウとヘルの目的、元の世界に戻る事に協力する。
白石(しらいし)
ショウ達と恩時の戦いの際に残された薬莢などに強い興味を持つ刑事
オカッパパーマの男性。
事件を精力的に調べていたが、上からストップがかかるが……。
黒田(くろだ)
恩時と同じく戦乱の世界から日本にやって来た植物人間の一人
黒髪顎鬚マッチョなおじさん。
日本にやって来た際、世話になった恩時に強い感謝を抱いていた。
自分たちの計画の障害となるだろうショウ達を排除しようと戦うが……。
神無月(かんなづき)
黒田の仲間の植物人間の一人
茶髪の青年。
ヘルが感じ取れる植物人間特有の臭いや気配を感じさせない。
交渉決裂で戦いとなり、ショウとヘルに倒されそうになった黒田の救援に駆け付ける。
あらすじ
大学生のグループ内の喧嘩。
ボスの北崎の意向で武闘派なグループに変わったことに不満を抱いていた東の頼みで、その喧嘩に参加する事になった異界の元傭兵、ショウ。
その喧嘩の最中、蓮神を通り日本にやって来たにもかかわらず、自分たちと違うショウとヘルの排除を目論む植物人間、恩時が乱入。
ショウとヘルは否応なしに恩時と彼の愛犬、ヨーゼフと戦う事となる。
腕を鞭のように変化させた恩時。
体から棘を生やし異形と化したヨーゼフとショウ達は精神感応で意思疎通しながら連携し戦う。
不利を感じた恩時はヨーゼフと融合。
機動性と両腕の鞭でショウ達に迫る。
しかし、ヘルと混ざったことで向上したショウの反応速度、そして生体兵器ハウンドであるヘルの前に核である種を破壊され、ヨーゼフは爆死。
恩時もヘルの猛攻に耐え切れず追いつめられ、核である種だけでも逃れようと蔦を伸ばした。
その種を掴んだショウは殺し合いに来たわけじゃないと、ヘルを止めた。
感想
今回は植物人間の一人、恩時との戦いから始まり、恩時の最後の言葉で元の世界に帰るためには蓮神に会う必要があると知ったショウ、大学生グループのメンバーの一人、西崎の従妹、浅山南との出会い、ショウ自ら監視カメラを使いメッセージを送り、植物人間黒田と接触、交渉決裂により黒田と戦闘状態になどが描かれました。
黒田達、蓮神を使い日本にやって来た者はすべからく、種を核とした植物人間になっており、イレギュラーなショウとヘルを非常に危険視しているようでした。
なぜ彼らが生身のままのショウ達に警戒感を示すのか?
それはショウが元居た世界、戦乱界の国や組織の関係性に由来するのか?
現状、理由は分かりませんが頑なな黒田達の態度から、色々妄想してしまいました。
まとめ
この巻のラスト、敵側の人間ながらヘルに交渉を持ち掛けた男、神無月が登場しました。
ショウを人質に取られる形ではありますが、神無月の口から植物人間たちの目的が語られるのか。
次回の展開が楽しみです。
この作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料でお読み頂けます。
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