波よ聞いてくれ 10 アフタヌーンKC
作:沙村広明
出版社:講談社
北海道放送界の一大イベント「バレンタイン・ラジオ」。
その開催前夜、ADの瑞穂(みずほ)が宗教団体「波の叡智派」の残党に拉致監禁されてしまう。
瑞穂を救うべくミナレはベテランDJの茅代まどか(ちしろ まどか)と共に瑞穂が連絡してきた座標、北緯43度21分7秒、統計141度29分30秒へと向かうが……。
登場人物
ヒグマ
瑞穂の他、ミナレとまどかが出会ったヒグマ
冬眠に失敗し餌を求め雪山をうろついている。
野生動物だが意外と賢い。
スピリチュアルな女
家からいなくなった律子/ロティオンを探す沖が出会った女
インド人系イスラム教徒的な服を着た胡散臭い女。
律子を探す沖に超常現象的なアイテムを紹介するが……。
カレー店「ボイジャー」のバイト
ミナレとマキエの穴埋めに店長が呼んだ助っ人
ものすごく髭の長い大男と虎髭の大男の二人組。
中国語で話す。
あらすじ
波の叡智派の残党、大滝の手により札幌郊外の山中、プレハブ小屋に閉じ込められた瑞穂。
小屋の中にはストーブの他、水や食料、簡易トイレ等、生きていくために必要な物資が置かれており、暇つぶしの為かゲームや漫画、小説なども用意されていた。
その用意されていた小説、北方謙三三国志を懐かしさから、孫堅が死ぬあたりまで読みふけってしまった瑞穂だったが、ハッと我に返り一人での脱出を決める。
今は一大イベント「バレンタイン・ラジオ」を控えた大事な時。
ADである自分一人の為に迷惑はかけられない。
瑞穂は小屋に用意されていた「ホットテック」を着こみ、懐中電灯や携帯食料、カイロにラジオを袋に詰めストーブから伸びた煙突を破壊。
壁に空いた煙突穴を起点に壁を剥ぎ、出来た隙間から雪の大地にダイブした。
地面に雪が積もっていた事で怪我は免れたが、降り積もる雪で積雪は膝上10センチにまでなっていた。
「来た時はここまでじゃなかったのに……北方三国志のせいで!!」
北方三国志にぬれぎぬを着せながら、瑞穂は雪山の中、懐中電灯片手に足を踏み出した。
感想
今回は智慧の叡智派の残党に攫われた瑞穂救出のために、雪山へ向かったミナレと進行していくイベントの様子が描かれました。
今回はその中でも雪山での瑞穂捜索でヒグマと出会ったまどかの事が印象に残りました。
今回、まどかは瑞穂救出において、護身用に狩猟用のエアライフルを持ち出していました。
もちろんヒグマに鳥獣用のエアライフルが効く事はないのですが、彼女はかつて学生時代、片思いの男性を可愛らしいタイプの女に取られた事を思い出し、溢れる殺気で熊を退散させました。
……お話的にはすごく面白かったですが、同時にそういうとこだぞとも思いました。
以下作中の好きなセリフ
ヒグマ:マ……マダ何モシテナイノニ……何デ…ソレ程マデニ殺気の込モッタ目ヲ俺ニ向ケルノダ…。
アノ女……サッキマデハ、アキラカニ全身カラ緊張ガ感ジラレテイタノニ……今ハ気配スラ感ジナイ……存在シテイルノカ……?
怖イ――!!
まとめ
この巻の後半、瑞穂と合流出来たミナレでしたが、雪に隠された放水路の中に閉じ込められる事になりました。
二人は脱出しラジオの放送に間に合うのか。
……色々、大変な事になっていますが、警察の救助隊の言うことを聞かないミナレが悪いと思いました。
こちらの作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料で閲覧できます。
またコミックDAYSでは一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。