ウスズミの果て 1 ハルタコミックス
作：岩宗治生
出版社：KADOKAWA/エンターブレイン
断罪者と呼ばれる瘴気を撒き散らす異形の怪物の発生。
怪物が生み出した瘴気を吸い込んだ人々は、結晶病と呼ばれる体内から鉱物に似た結晶が形成される病を発症。
人類の大半は死滅した。
丑三技研機関の臨時職員、丑三小夜（うしみつ さや）は瘴気の浄化と結晶病で亡くなった人々の遺体回収のため、今日も人が死に絶えた廃墟の街の探索を続ける。
登場人物
丑三小夜（うしみつ さや）
丑三技研機関の臨時職員
ショートカットの少女
断罪者と結晶病に対処するため、丑三技研が生み出した「永遠の子」と呼ばれる不死の人造人間。
本来なら数千体規模で永遠の子を育て、様々な復興任務を平行して行う予定だったが、小夜以外は生まれる事も出来なかった。
結晶病の他、あらゆる病に耐性を持ち、受けた傷も短時間で修復する能力を持つ。
クー
小夜と共に行動する猫っぽい耳の長い何か
クーとしか鳴けないが、小夜はクーの言っている事が分かるようだ。
管理人
火葬場及び結晶病発症者の埋葬墓地の管理人
四足歩行で胴体の上に風船のような表情インターフェイスを持つロボット。
小夜が集めた遺体の管理の他、施設の維持運営を行っているようだ。
映画好き
映画館で映画を見続けているアンドロイド
スカルフェイスな頭部と上半身（腕はない）で構成されたロボット。
結晶病に罹ったため、人格データを急ごしらえのボディに移した。
本体は結晶病により既に亡くなっている。
クラウディア
巨大な屋敷で働き続けているメイド型のアンドロイド
主が結晶病で亡くなった後も、彼を治療出来る医者の到来を信じ屋敷の維持管理を続けていた。
シェルターの管理用人工知能
揺らめく髪を持つ少年の姿のホログラム
結晶病に罹患していない人間をシェルターに収容していたようだが……。
トミネ
小夜が博物館で出会った老人
白髪顎鬚の壮年男性。
拡散型の断罪者に食われた仲間を取り返すため、巨大な断罪者の遺体に穴を掘り続けていた。
彼が小夜が探索中、初めて出会った生きた人間。
あらすじ
五十年前、突如発生した異形、断罪者。
瘴気を撒き散らし、その瘴気を吸った者は結晶病と呼ばれる病を発症。
死後も腐敗する事無く、遺体は瘴気を発生させた。
その厄災により人類の大半は死滅した。
そんな廃墟となった世界で遺体を回収し、世界の浄化を一人行っている少女、小夜。
地下深く、断罪者と結晶病に抗うため生み出された「永遠の子」。
そのたった一件の成功例。
小夜は今日も相棒のクーと共に廃墟の街を巡り、人々の生きた残滓を見る。
感想
あらゆる病に対する抗体を持ち、負った傷も一瞬で回復する能力を持った「永遠の子」。
その永遠の子である少女、小夜によるポストアポカリプスアドベンチャー。
廃墟の街に残っているのは基本、結晶病で亡くなった人々の遺体及び、断罪者と呼ばれる異形の怪物。
その断罪者も活動している者は少なく、小夜が出会う知性を持った相手はアンドロイドやロボットなど、人工知能的な存在がほとんどな様です。
これまで描かれたポストアポカリプス物と同様、物静かでどこか切なさを感じさせる作品でした。
まとめ
この巻の終盤、小夜は初めて生きた人間と出会います。
ただ、その彼とはすぐに別れが来てしまい……。
生命の絶えた世界。生き残りはまだいるのか。
小夜が次に出会うのはどんな存在なのか。
続きが楽しみです。
こちらの作品はハルタ公式サイトで第一話がお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
