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紛争でしたら八田まで 第十二巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:

台北
紛争でしたら八田まで 12 モーニングKC

著:田素弘
出版社:講談社

地政学を用い世界各地で起きる問題の解決を生業にしている、地政学リスクコンサルタントの八田百合(はった ゆり)。

スイスのホテル、シュミッドでの自殺斡旋の噂の調査。
その調査に乗り出した百合は調査の過程で知り合った自称駆け出し探偵、ディティエ共に調査を続け……。

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登場人物

カミーユ・シュミッド
ホテルのオーナー、ロルフの妻でシティホテル「シュミッド」の支配人
肩口ショートで人当たりのいい女性。
彼女が支配人を務めるシュミッドには、自殺斡旋の噂の他、犯罪者の出入りも確認され……。

マルコ・ビアンキ
元保護観察官で元マフィア
禿頭口ひげにサングラスの男。
その経歴から警察にも犯罪者にも顔が利く。
シュミッドでの犯罪行為の橋渡し役と目されるが……。

マーティン
百合のルームメイト、アレックスの恋人
金髪ロングの美青年。
イギリスの諜報機関、MI5で働いている。

黄成峰(ホアン チェンホン)
アレックスの祖父
体調を崩し死の淵にいる老人。
LGBTQ問題を抱えるアレックスに居場所を与え、渡英に関しても手を回した。

あらすじ

元々依頼は依頼者のロルフがオーナーを務める高級ホテル、ホテル・ル・クレー・モントールの自殺斡旋の噂の調査だった。

だが調査の過程で知り合った自称探偵、ディティエとの協力により、怪しいのはロルフが所有するもう一つのホテル、シティホテル「シュミッド」の方だと百合は気付いた。

百合は実際にシュミッドに部屋を取り、ホテル内について調べ始める。
シュミッドはロルフの妻、カミーユが支配人を務め、彼女の対応も気持ちのいい物だった。

ただ、ホテルの監視カメラには死角があり、いくつかの部屋はカメラに撮影される事なく部屋に入る事が出来た。
また、その死角になっている部屋は退避扉で行き来が可能だ。

百合はカミーユの件の部屋に移りたいと打診したが、予約済みと断られてしまった。

ともかくとして調査を続ける事にして、百合はホテルに宿泊し引き続き内部から、ディティエは車で宿泊客の監視を続ける事にした。

そして夜、監視を続けるディティエから百合にブラウンスーツの白人男性を追ってくれと連絡が入り……。

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感想

今回はスイスでのホテルシュミッドの調査の顛末、そしてルームメイト、アレックスの故郷、台湾での祖父の人形を巡るエピソードが描かれました。

今回はその中でも、台湾エピソードの冒頭、アレックスと恋人のマーティンの世界情勢を巡る会話が印象に残りました。

二人の話題はロシアのウクライナ侵攻と、台湾の併合を狙う中国の動きについて。

ロシアも中国も強大な影響力を持つ指導者が主導する、いわゆる独裁国家。
表向きは選挙の体を取りながらも、反対者は粛清されるという恐怖で支配された国の様に伝え聞く噂から感じます。

話題に上がったロシアは、現在、武力による現状変更を試みています。
中国も台湾併合を目指し、軍拡を続けているようです。

ロシア、中国の他、北朝鮮やミャンマーなど、世界中で暴力の臭いのする国が増えているように感じます。
経済もそんな国々の影響で不安定化しているように思います。

そんな状況はまるで、第二次世界大戦が起きる前のようで……。

伝え聞くだけですが、世界中が怒りと悲しみに彩られたあんな戦争が再び起きない事を願って止みません。

まとめ

この巻では後半、複雑な歴史を持つ台湾についてが描かれました。
四大族群が暮らす台湾、日本統治下、中華民国の施政下、国民党の施政下、民主化と約四十年ほどで統治体制が変貌してきた台湾。
そこで生きたアレックスの祖父にはどんな物語があったのか。

次巻も読むのが楽しみです。

この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのtingyaohによる画像です。
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