DYS CASCADE ~ディス カスケード~ 1 KCデラックス
著:中川海二
出版社:講談社
現場にこだわり一刑事として捜査を続けている男、三坂重遠(みさか しげとお)。
そんな彼の上司として、女性刑事、宇賀田怜悧(うがた れいり)が移動してきた。
その怜悧の移動と時を同じくして、管内で殺人事件が発生。
三坂と怜悧はコンビを組み、その殺人事件の捜査に当たる事になる。
登場人物
三坂重遠(みさか しげとお)
遠木県警捜査本部捜査一課宇賀田班所属、巡査部長
白髪痩身で無精髭の壮年男性。
現場にこだわり、昇進試験を受けず一刑事として仕事をしている。
独身。
宇賀田怜悧(うがた れいり)
遠木県警本部捜査一課宇賀田班班長(主任)警部補
黒髪ショートで快活な女性。
県警本部内の不倫騒動で当事者が辞職、そのあおりを受け比較的、事件の少ない火鷹署から移動してきた。
三坂とコンビを組み、移動初日に起きた殺人事件を追う事になる。
過去に三坂と接点があったようだ。
榎本(えのもと)
遠木県警本部捜査一課宇賀田班所属の刑事
黒髪短髪の若手刑事。
ゴシップ好き。
大木(おおき)
遠木県警本部捜査一課宇賀田班所属の刑事
黒髪オールバックの刑事。
榎本の先輩。
古田三輪子(ふるた みわこ)
事件の被害者
右内ももを切られた全裸の状態の遺体が佳匿山山道付近で発見される。
遺体に手首足首の拘束痕、内ももの傷以外の目立った外傷は無く、三坂の見立てでは、薬で意識を奪われた状態で吊るされた状態で内ももを刺され、失血死したと考えられる。
宇賀田春樹(うがた はるき)
怜悧の夫、専業主夫
黒髪眼鏡で穏やかな男性。
仕事となると時間を忘れる怜悧を支える。
宇賀田真理(うがた まり)
怜悧の娘
黒髪ショートの女の子。
彼女も春樹と同様、忙しく働く怜悧を気遣っている。
馬場淳(ばば あつし)
六年前、怜悧が担当した事件の容疑者
長髪髭でマッチョな男。
六年前はヒョロリとしており、取り調べでは怯えた様子を見せていた。
警察署の駐車場に血と見られる液体と、自分のものだろう左腕の入ったバケツを置き姿をくらませる。
山久早苗(やまひさ さなえ)
怜悧の隣人
白髪で穏やかな雰囲気の老婦人。
馬場が残した12人の名前が書かれたメモの中に、その名前があった。
三十年ほど前、妹を殺害された過去を持つ。
江戸(えど)
怜悧の隣人
三坂に怜悧との接点を話す。
脳卒中で倒れたところを真理が発見、通りがかった男性の通報で救急車で運ばれるのだが……。
あらすじ
殺害されたのは二十代の女性。
遺体には手首と足首の拘束痕、右内ももの刺し傷以外目立った外傷は無く、別の場所で殺害後、遺体の発見場所である佳匿山山中へ車で運ばれたと考えられた。
遺体には犯人の指紋や髪の毛、体液などは残っておらず、初動捜査で目ぼしい手掛かりは発見できなかった。
その後、被害者の両親が行方不明者届けを出していたことで、被害者の身元が判明。
被害者は就職活動中だった23歳の女性、古田三輪子。
卒業旅行で関西へ向かい、その後、連絡が取れなくなっていたようだ。
三輪子に恋人は無く、ストーカーに悩まされていたという事も無い。
近しい者の犯行か、それとも無関係な者か。
三坂の印象は、殺し方がこなれ過ぎているというものだった。
その後、怜悧は古巣の火鷹署で同様の事件がなかったか、過去の記録を当たる事にし、三坂は事件の起きた輿野署で捜査記録を調べる事にした。
その日の深夜、12時近く。
三坂は28年前に起きた同じ手口の事件にたどり着いた。
だが、三坂が資料を詳しく読む前に彼の携帯が鳴る。
「はい、三坂」
『駐車場に置いた』
それだけ言うと、通話は切れた。
番号に覚えは無く、メモを取った三坂は輿野署の駐車場へと向かった。
灯りの消えた駐車場、懐中電灯片手に三笠が歩を進めていると、駐車されたパトカーの間に、蓋付きのバケツが置かれているのを発見する。
三坂はバケツに歩み寄り、ハンカチを取り出し蓋の取っ手を掴み開けた。
バケツの中には、切断された左腕と血らしき液体が並々と注がれていた。
感想
管内で起きた猟奇殺人事件と、それに関係しているであろう自身の左腕を切断した男。
現状で左腕を切り落とした馬場の目的は不明。
犯人の目ぼしもついてはいません。
過去に起こった類似事件。
それを起こした犯人と今回の古田三輪子の殺害は同一人物なのか。
事件はいまだ闇の中。
超ベテラン刑事、三坂とやり手女捜査官、怜悧。
二人がどのように事件の真相に迫っていくのか。
キーマンだろう馬場の目的は。
物語の行く末が気になります。
まとめ
この巻のラスト、馬場は怜悧の娘、真理に接近します。
彼は何を知っているのか、真理に近づいたのはどんな意図があってのことか。
次巻も楽しみです。
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