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きみは謎解きのマシェリ 第四巻 登場人物・あらすじ・感想

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マニキュア
きみは謎解きのマシェリ 4 アクションコミックス

著:糸なつみ
出版社:双葉社

やせ薬を製造販売している洋傘堂(こうもりどう)の営業、田辺から商品のポスターを剥がしている者の調査を依頼された美津子(みつこ)。
朔(さく)と共に調査を始めた美津子はポスターが剥がされた範囲から、帝国大学での聞き込みを始めた。

その過程で出会った赤い指先の学生に美津子は構内の倉庫に閉じ込められ……

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登場人物

謎の学生
美津子(みつこ)をおびき寄せ大学構内の倉庫に閉じ込めた。
美津子たちが追っていたポスターはがしの犯人だと思われるが……。

本郷須磨子(ほんごう すまこ)
翠凛高等女学院のクラス委員
黒髪ショートでクールな少女。
華の乙女世代と呼ばれる先輩たちにまつわる噂の解明を美津子たちに依頼する。

一ノ瀬百合子(いちのせ ゆりこ)
翠凛高等女学院の教師
黒髪まとめ髪の女性。
噂の解決の為に探偵に依頼した須磨子を叱責するが……。

寅之助(とらのすけ)
銀座探偵事務所に出入りするメッセンジャーボーイ
坊主頭でそばかすの少年。
働き者でいつも笑顔の寅之助を美津子はとても気に入っていたが……。
出稼ぎに出た母親に代わり、幼い弟と妹を世話している。
生活費の足しにするため、学校には通わずメッセンジャーボーイを続けるつもりのようだ。

藤村洋子(ふじむら ようこ)
美津子が東京ステーションホテルの電話交換手だった時、ホテルに宿泊していた女性。
長い黒髪を三つ編みに纏めた涙ボクロの女性。
酒飲みでDV気質な夫から逃れるため、ホテルに逃げ込んだようだが……。

大貫歌子(おおぬき うたこ)
銀座探偵事務所に依頼を持ち込んだ女性
黒髪ショートボブの女性。
行方不明となった磯部秀雄(いそべ ひでお)という男を探している。

あらすじ

ポスター剥がしの被害にあった店舗への聞き込みで出た証言、犯人の指先が血まみれだったという物から、美津子達は犯人がネイルエナメルを使用していると予想。

その辿り着いたネイルエナメルは新商品で、百貨店では三日前から店頭に並んだようだ。
被害はそれより前に起きている。

百貨店の店員によれば、マニキュアガール(高級理容室で爪の手入れを行う女性)向けに百貨店よりも先に販売している所があるらしい。

その高級理容室で剥がされたポスターの範囲から帝国大学を割り出した美津子は、爪の手入れの終わらない朔を置いて一人大学へと向かい、赤い爪で長い赤茶色の髪の学生に倉庫に閉じ込められたのだ。

一方、爪の手入れを終え美津子を追った朔は、彼女が学生たちから「妖怪」と呼ばれている誰かと共に図書館の方へ向かったと聞かされる。

帝国大学の学生たちの間で語られる噂。
帝大生の制服を着ているけれど、どこの学部かと訊いても答えない。
気付いたらどこかへ消えている……。

話をしてくれた怪奇現象研究部の二人は、その正体についても話してくれた。
答えは偽学生。
帝大の制服はボタンは五つ、妖怪の制服にはボタンは四つしかついていないらしい。

朔は構内を巡り、早々に偽学生を発見。
しかし、その男は真犯人に小金を稼げると四つボタンの制服を着ていただけだった。

美津子なら必ず手がかりを残すはず。
犯人に気付かれず、自分に居場所を知らせる方法を……。

朔は直前まで一緒にいた美津子の行動を思い出し、美津子が自分に残せるモノについて考え始めた。

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感想

今回は前巻から引き続き、ポスター剥がし「黄泉醜女」の調査の顛末から始まり、お嬢様女学校での女性同士の疑似恋愛とオルガンの下の暗号、メッセンジャーボーイ寅之助からの依頼、二十歳の美津子と彼女が探偵になるまで等が描かれました。

今回はその中でも冒頭、黄泉醜女のエピソードが印象に残りました。

ポスターを剥がしていたのはマニュキュアガールの女性。
彼女は芸能事務所にスカウトされ、言われるがままに当時の人々が美しいと思う姿に自らを変えていきました。

茶色の地毛を黒く染め、スタイルや笑顔までも世間一般の考える美しさを押し付けられる日々。
それは作られた偶像であり、彼女らしさはどこにもありませんでした。
そうして作られた自分が写ったポスターが、どこかの誰かを縛っているのではと彼女は考え……。

作品の設定は昭和初期ですが、美しさの理想像というのは現代でも溢れているように感じます。
雑誌のモデルや芸能人など、そのスタイルや美貌に憧れを持つ人も多いのではないでしょうか。

ただ、人は一人一人違い、自分の個性を殺してまで理想像を追い求めるのは空しいような気がします。
自分がいたい自分でいる事、それが一番なんじゃないかな。

エピソードを読んでいてそんな事を思いました。

まとめ

次回の舞台は映画館。
無声映画に活動弁士がいた時代。
美津子と朔が受けた依頼がどんな展開を見せるのか。

次回も読むのが楽しみです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

こちらの作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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※イメージはPixabayのivabalkによる画像です。
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