悪役令嬢転生おじさん 2 ヤングキングコミックス
著:上山道郎
出版社:少年画報社
事故によりゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」に登場する公爵令嬢、グレイス・オーヴェルヌに転生してしまった公務員の屯田林憲三郎(とんだばやし けんざぶろう:52)。
彼はグレイスの役どころである悪役令嬢を演じようとするも、妻子持ち、また仕事では部下を指導育成する立場からつい親目線、上司目線で周囲の人々に接してしまい、その事で周りの人々から慕われる事になる。
そんな状況で一月が過ぎ、グレイス(憲三郎)の通う魔法学園ではこの世界では重要な従魔(ビースト:使い魔、マジカル学園ラブ&ビーストは従魔の持つ属性により使用する魔法の方向性が決まる)の召喚が行われていた。
登場人物
屯田林日菜子(とんだばやし ひなこ)
憲三郎の娘
ショートカットで眼鏡の女性。
オタクの両親の影響で立派なオタクとして育った。
お母さん
憲三郎の妻
黒髪眼鏡の女性
ノリのいいオタク
ピエール・ジェモー
第一王子ヴィルジールの従者
黒髪で切れ長な目の青年。
ヴィルジールの身の周りの世話、スケジュール管理などを完璧にこなす有能な従者。
しかしその生真面目な性格は、ヴィルジールから息がつまると逃げられる事もしばしば。
レオポルド・オーヴェルヌ
グレイスの父、公爵、財務大臣
赤髪オールバックで髯のおじさん。
世の多くの父親と同じく年頃の娘の好みが分からず、幼少期、グレイスが好きだった木馬をプレゼントに用意してしまう。
公爵家の血筋は妻であり、彼は有能さを買われ婿入りしてきた。
その事をコンプレックスとして抱えている。
ヴィオレ・コルボ―
魔法学園に通う貴族の娘
ショートカットの少女。
平民のアンナがグレイスと親しい事を疎ましく思っており、根も葉もない噂を流す。
ジョーヌ・モワノー
魔法学園に通う貴族の娘
ユルフワショートの少女。
平民のアンナがグレイスと親しい事を疎ましく思っており、根も葉もない噂を流す。
マロン・シュエット
魔法学園に通う貴族の娘
ユルフワセミロングの少女。
平民のアンナがグレイスと親しい事を疎ましく思っており、根も葉もない噂を流す。
あらすじ
従魔(ビースト)の召喚、それは今後学んでいく魔法の方向性を左右する重要なイベントだ。
ゲームでは入学時に卵を手渡され、一か月後、卵から孵った従魔によってシナリオや攻略が大きく変わる事になっていた。
ゲームのヒロインであるアンナは風属性のビースト、ペガサスの召喚に成功した。
種族としては平凡なようだが、風魔法が好きなアンナは純粋に喜んでいた。
憲三郎(グレイス)はそんなアンナに過去の経験(ゲームブックで遊んでいた時、いい目が出る迄やり直した、いわゆるリセマラ)から、何度でも召喚をやり直せるならもっと希少(レア)なビーストを狙うかと尋ねた。
アンナは憲三郎の質問にどうしてですか?と不思議そうに返した。
こんなステキな子が生まれてきてくれたのに!
そう言ったアンナの言葉で憲三郎もハッとさせられる。
その後、グレイスたち一年の授業を見に来たヴィルジールとオーギュストにも見守られつつ、憲三郎の召喚が始まった。
祭壇で召喚を行いながら憲三郎は思い出す。
かつて彼は「ラブ&ビースト」をプレイ中の娘の日菜子にもアンナと同じ質問をした。
返って来た答えはアンナと同じくリセマラはしないという物だった。
“せっかく生まれて来てくれたのを、無かったことにしちゃかわいそうじゃない”
その通りだと憲三郎は思う。ましてや今、憲三郎がいる世界はリセットの効かない本物なのだから。
どんなビーストが生まれても……父さんは驚かずに受け入れるぞ!
そんな想いの中、生まれたビーストはディフォルメされたグレイスと憲三郎だった。
感想
今回は冒頭、従魔(ビースト)の召喚から始まり、憲三郎の娘、日菜子とその母の登場、憲三郎がゲーム内でグレイスになっていると気付いた日菜子達のサポート、従魔の属性と相性、ドラゴンスケルトンとの戦い、グレイスの父等が描かれました。
前巻はグレイスに転生した憲三郎がメインでしたが、この巻からは娘の日菜子と憲三郎の奥さんのパートも入り混じりつつお話は進んで行きました。
日菜子サイドは基本ノベルゲームをプレイする感じで、要所要所で憲三郎をサポートする形で進むみたいです。
そんな場面で出て来た憲三郎の言葉「年齢に関係無く、上手い人は皆、師と思え」というのが凄くカッコ良かったです。
あとリセマラについて思い出した事を。
そんなにする方では無いですが、少し前、ウィザードリィで遊んだ時はボーナスポイントが欲しくてやってしまいました。
まぁ、そのキャラも灰になりロストしてしまいましたが……。
まとめ
今回、憲三郎は亡くなった訳でなく意識不明のまま病院で眠っている事が分かりました。
ゲームのクリアーで憲三郎の意識は戻るのか、そもそも大分ルートから外れた状態でのクリアーって何なのか、次も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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