異世界猫と不機嫌な魔女 4 ビックコミックス
著:柏葉ヒロ
出版社:小学館
森に魔物が出現する様になり、町への買い出しは自分が行くと言い出したルウ。
彼女と共に町へ向かった国王のロビンス、そして二人の身を案じる戦士のフラドは魔物の襲撃に遭遇する。
町を襲った魔物の群れは、ルウが使った魔法によって駆逐された。
しかし、魔力を使い切ったルウは意識を失い……。
一方その頃、王都マドンも魔物の襲撃を受けていた。
登場人物
チビ
ジャンヌが初めて召喚したドラゴン
ジャンヌに従い勇者と共に魔王討伐に貢献した。
その後、鎖に繋がれ王城の地下に幽閉される事に。
地下牢に入れられた老人
太后メドウズに牢屋送りにされたルウが出会った老人
伸びっぱなしの白髪と髭を持つ老人。
ずっと牢に入れられているようで酷く臭う。
あらすじ
王都マドンを襲った魔物の群れ。
太后メドウズは兵をジャンヌ討伐のため、帰らずの森に出兵させており、城に残された戦力は僅か。
このままではグリフォード王国は終わる。
重臣がそう叫ぶ中、メドウズは終わる事などないと微笑む。
彼女が向かった先、薄暗い地下の扉の向こうには、鎖に繋がれた一匹のドラゴンがいた。
ドラゴンの名はチビ。
かつて幼いジャンヌが召喚し、家族のように育て共に戦ってきた竜だ。
チビは魔王討伐後のパーティーで毒を盛られ、気が付けば鎖に繋がれ閉じ込められていた。
その後、顔を見せた勇者の話では、彼もジャンヌと同様、力を奪われたようだ。
「何がなんだかわかんねぇよな。俺もなんでこうなっちまったのか、さっぱりなんだよ……」
チビは俯きそう呟く勇者に、マスターであるジャンヌがどうなったのか尋ねた。
しかし彼は無言のまま、呼びに来た兵と共にその場を去った。
感想
今回はジャンヌの召喚したドラゴン、チビの魔王との戦いの後の顛末から始まり、ロビンスとルウ、王城へ、それをフラドから聞いたジャンヌも城へ、ジャンヌ、ナァ、フラドの三人旅、メドウズとルウ、ロビンス、王として意地を見せる、魔王の襲来などが描かれました。
今回はその中でも病的に魔女を忌み嫌い、ルウを排除しようとしたメドウズが印象に残りました。
メドウズが魔女を憎む理由。
それは無理やり夫にした勇者が、結婚後もジャンヌを想い続けていたことが原因だろうと推測されます。
どんなに想いを寄せても振り向かない相手。
無理やり手に入れても、その心までは奪えない。
メドウズの心にあったのは、自らの出自からくるプライド。
欲しい者の心を奪ったジャンヌへの嫉妬。
なんというか、自分自分でそこに他者への想いは皆無の様に感じました。
まとめ
ジャンヌの召喚獣、チビ。
なぜチビはメドウズに従うのか。
それもジャンヌ達の力を奪った魔術的な何かなのか。
そのあたりの理由も気になります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。