この世界は不完全すぎる 8 モーニングKC
著:佐藤真通
出版社:講談社
一年がかりでダンジョンを抜け、NPCの少女、二コラと再会したハガ。
その村人だったはずの少女二コラは、アサシンとなっていた。
彼女がどうやってアサシンとなったのか、ハガと離れていた日々が語られる。
登場人物
ソフィ
二コラがアサシンの養成所で出会った少女
ショートカットの面倒見のいい女の子。
幼い兄妹を養うため、アサシンとなり稼ぐ事を目指している。
アンドリアン
アサシン養成所で二コラが出会った少年
長い前髪で右目が隠れた少年。
カール
アサシン養成所で二コラが出会った少年
金髪エルフの少年。
シメオン
アサシン養成所で二コラが出会った少年
丸顔坊主で背の低い少年。
二コラを含めた五人は指導官のラグランジュからアサシンの技術の指導を受ける。
ラグランジュ
アサシンギルドの指導官
黒髪オカッパで糸目の男。
相手が身に着けた装備の他、心臓も盗み取る凄腕のアサシン。
あらすじ
ハガ達がダンジョンの最下層に飛ばされた一年前、二コラはアサシン養成所に入れられていた。
気が付いた場所は円形の石で囲まれた殺風景な部屋。
その部屋での最初の試練は同室となった少女、ソフィアと戦い生き残る事だった。
しかし、ハガと行動を共にしてきた二コラは教官役のアサシンの言葉、一人になったら出してやるをそのままの意味で受け止めなかった。
ハガならどう考えるか。
彼の思考を思い出し、二コラは壁に体をこすりつけ、システムに潜むバグを探す。
当初、二コラの意味不明な行動に困惑していたソフィアだったが、彼女には幼い弟と妹を食わせるという目的があった。
つきあっていられない。
ナイフ片手に二コラの背を狙い、ソフィアは刃を突き立てようと迫る。
だが、二コラは足がかりのない石壁を、見えない何かを踏み締め上っていた。
ハガが言っていた地形ポリゴンの引っ掛かり。
その引っ掛かりを足場に二コラは部屋の上部に空いた、明かり取りの窓まで登った。
ひとりになったら。
それは片方がしんだらとは限らない。
部屋から二コラの姿が消えた事で、教官役のアサシンは二人に合格を出した。
そんな教官役の上、窓の鉄格子越しに夕日を見つめながら、二コラは強くなりハガを探し出す事を誓ったのだった。
感想
今回はハガ達と離れていた一年、二コラが過ごしたアサシンになるための日々、神殿でのデバッグストーンの捜索と回収などが描かれました。
今回は、その中でも潜在能力依存武器、狂戦士のダガーを手にした二コラの強さが興味深かったです。
二コラはただの村人NPCであり、どんなに訓練しても強くなる事はなく、ずっと村人のままのはずでした。
ですが、指導官、ラングランジュの持っていた狂戦士のダガーを手にした二コラは暴走し訓練所である館を両断、ラグランジュをも返り討ちにする強さを見せます。
以前、登場した魔道具の髑髏と同じく潜在能力バグなのか。
アサシンとしての強さを備えた二コラを支えているのは、そういった装備品なのか。
そのあたりが気になります。
まとめ
次回、ハガ達は侵入した神殿の異変に巻き込まれるようです。
一体何が起きるのか、次回も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。