君は放課後インソムニア 9 ビッグコミック
著:オジロマコト
出版社:小学館
伊咲(いさき)の心臓の事を知り丸太(がんた)は進路を医学部に定めた。
一方の伊咲は今しかできない事を、今しか会えない人とやりたいと、母に天文部に入りたいと告げた。
伊咲の両親はそれを許し、伊咲は再び天文部部員となり活動を再開した。
登場人物
清原(きよはら)
白丸(しろまる)の高校時代の片思いの相手
白丸は想いを寄せていたが、彼の方は苗字もうろ覚えだった。
あらすじ
二学期の期末試験が始まり季節は冬へと移り変わっていた。
その試験も終わった放課後、伊咲は丸太と共に天文台に布団を運び込んだ。
小さな一人用の炬燵に布団をセットし電源を入れる。
「これは、いいものだ! 中見(なかみ)も入りなよ」
炬燵は小さく自分が入れば足が触れ合うことになると、丸太はいいよと断ったが伊咲は強引に彼を炬燵に座らせた。
想像通り、伊咲の膝と丸太の足は触れ合う。
照れる丸太を見て伊咲は笑う。
「あ、中見 近くで見ると、目の下クマある」
「最近眠れないサイクルに、また入ってきてて……」
テーブルに頬をつけ丸太は炬燵の温かさに瞳を閉じた。
「あったかいなぁ……ちょっと寝てもいい?」
「もちろん」
炬燵に突っ伏し眠った丸太、それを見守る伊咲の下に猫のツーちゃんが歩み寄る。
「なごー」
そう鳴いて炬燵に潜り込むツーちゃんに、伊咲は慌てて人差し指を口に当てた。
感想
今回は期末試験と炬燵のエピソードから始まり、女子野球部の穴水(あなみず)と元野球部の灰田(はいだ)、ふたご座流星群観測会の計画と暗黒玉(モトコ特製イカ墨入りお好み焼き)、気動車遺構と撮影会、ふたご座流星群観測会と白丸と片思い、手術の影響で調子を崩した伊咲、誕生日、初雪と雪だるま等が描かれました。
今回はその中でも受けた手術の後遺症で体調を崩した伊咲と、彼女の家に毎日通う丸太の姿が印象に残りました。
伊咲は心臓の手術の影響で、起立性調節障害という一生付き合っていく朝、頭痛や腹痛に悩まされる症状を抱えています。
作中、二人は14年後の自分たち、30歳の二人について語り、携帯に予定を書き込みます。
命の不安を抱えた伊咲、彼女が丸太と30歳を迎えられるのか。
作品を読んでいると、どうか二人が14年後も二人で笑い過ごせているようにと願ってやみません。
まとめ
今回は二学期の終わり、冬の日々が描かれました。
次回は年明け、三学期始まりが描かれるのでしょうか。
どんなエピソードになるのか、次回も楽しみです。
この作品は、小学館公式サイトで一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。