アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 9 ゼノンコミックス
著:荒井ママレ
医療原案:富野浩充
出版社:コアコミックス
病院での受診を拒むイスラム教徒の女性、ワユニ。
そんな彼女の為に、病院は女性だけの治療チームを作り……。
登場人物
松永(まつなが)
接遇委員会副委員長
目の大きなハキハキとした印象の女性看護師。
外国人患者への対応と検証を行う接遇委員会所属。
イスラム教徒であるワユニへの対応を病院へ調査、報告する役目を担う。
圧がすごい。
宇多川(うたがわ)
イスラム教徒、ワユニの治療にあたり組まれたチームの主治医
ショートカットで落ち着いた雰囲気の女性医師。
ワユニが診察医に女性を希望した事もあり、チームは全員女性となった。
細田(ほそだ)
産婦人科医、宇多川の助手、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
涙黒子の女性医師。
梅木(うめき)
ソーシャルワーカー、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
黒髪ロングに眼鏡の女性。
進藤(しんどう)
栄養士、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
まとめ髪で頬のこけた女性。
渡瀬(わたせ)
3A病棟看護Cチームのリーダー、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
ぽっちゃりたれ目の女性看護師。
岩澤(いわざわ)
3A病棟看護師長、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
黒髪ショートでキリッとした顔立ちの女性。
成平(なりひら)
麻酔科医、ワユニの治療にあたり組まれたチームの一人
ユルフワロングでまとめ髪、眼鏡の女性医師。
室井夏生(むろい なつお)
慶成大学から病院へ来た実習生
黒髪ボブの青年。
要領がよく実習もそつなくこなすが……。
丸川陽茉莉(まるかわ ひまり)
慶成大学から病院へ来た実習生
黒髪お団子でクリっとした目の女性。
やる気は十分だが、それが空回りしている。
室井と丸川は恋人関係であるが、実習ではその事は伏せている。
柳亮太(やなぎ りょうた)
室井の中学時代の同級生
茶髪八重歯の青年。
身重の妻が産婦人科に入院中。
同級生の室井が病院にいた事で安心した様子をみせる。
あらすじ
ワユニが診察を拒む理由。
それは過去の受診で担当医師が急遽、変更され代理が男性医師になった事が原因だった。
イスラム教では家族以外に肌や髪を見せる事は避けるべき事柄だ。
敬虔なイスラム教徒であるワユニは、男性医師に肌を見せる事に忌避感を抱き、予約していた病院から逃げ帰った。
それ以来、彼女は日本での生活に恐れを抱いたようだ。
そんなワユニの体を心配し、彼女の家族は萬津総合病院で再診察するよう彼女を説得。
病院側もワユニの希望を受け入れ、彼女の診察に関わる人間は、葵をふくめ全員が女性のチームで治療に当たる事となった。
感想
今回は様々な戒律のあるイスラム教徒の女性、ワユニへの治療と対応から始まり、薬学部の大学生二人の実務実習の様子が描かれました。
その中でも今回は、ワユニの娘、サリの語ったイスラム教徒の実情が印象に残りました。
イスラム教徒といえば厳格な戒律を重視し、それをきっちりと守っているイメージでした。
ただ、現在ではそこまで厳格ではなく、女性でも髪を見せたり、スカートを穿き素足を見せたりする人もいるようです。
そんなイスラム教における女性の恰好は、無駄に男性を刺激しない為だと聞いた覚えがあります。
イスラム教が盛んな中東地域は石油の利用が始まる前は、前巻の感想で書いたように貧しく、そんな土地で生きる為には、女性の魅力は多産につながるモノで邪魔だったのかもしれません。
多くの子が生まれても、全員を育てることは出来ない。
それなら、最初から出産数を減らせばいい。
戒律を作った人々には、そんな目論見もあったのかもしれません。
そんなイスラム教も、サリの話を聞くと少しづつ時代に合わせて変わっているのかなと感じました。
まとめ
この巻の後半、大学薬学部の実習生が二人登場しました。
一人は要領のいい男子学生、室井。
もう一人はやる気が空回りしている印象の丸川。
恋人同士で正反対な二人。
彼らが実習を通してどう変わっていくのか。
続きが楽しみです。
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