BADON バードン 7 ビッグガンガンコミックス
著:オノ・ナツメ
出版社:スクエアエニックス
元犯罪者、ハート、リコ、エルモ、ラズの四人が首都バードンで再起をかけ開いた煙草店「プリミエラ」の物語。
ハートがかつて所属していたヤッカラの犯罪組織、ユーカー。
そのユーカーの人間であるジャコモから、ハートはある面倒事を依頼される。
それは首都バードンに違法入区した少年を預かってほしいというものだった。
登場人物
ダニオ
バードンに船で違法入区しようとした少年
栗色の髪の16歳の少年。
ヤッカラの犯罪組織、ファロを後ろ盾にしたギャング団の一人。
乗った船がユーカーと繋がりを持つ船だったため、船に潜んでいた事がばれた彼は船主からジャコモへと引き渡される事となった。
リン
バードンで記者として活動する女性
ショートカットの女性。
ヤッカラの通りの実情を伝える記事を連載。
その事でギャング団を仕切るファロに目をつけられた。
ダニオとはその取材の際に知り合った。
あらすじ
ジャコモの依頼は旅券を持たない違法入区者の少年を、偽造旅券が出来るまで預かってほしいというもの。
仲間達にハートが依頼の事を話すと、リコは外出させないという条件で少年の受け入れを認め、エルモ、ラズ、リリーの三人も少年の受け入れを了承した。
エルモが新しい恋人の所に行く事で少年の寝床は確保できた。
後はリリーをどうするかだが。
リリーは幼く見えるが18歳の少女だ。
同世代の少年とひとつ屋根の下というわけにもいかない。
結局、ハートは一階の洋菓子店ハチクマの店長ドナを頼り、彼女にリリーを預けることにした。
ドナの出した条件は事情を共有させてほしいというもの。
ドナが言うにはハートは、組織との繋がりに関する事は言いたくないと顔に出ているそうだ。
「ただ、話せることだけでいいから聞かせて」
「……分かった。改めてまた……そんなに顔に出ているだろうか?」
そう言ったハートにドナは笑みを浮かべ頷いた。
感想
今回は違法入区しようとした少年ダニオと、彼が守ろうとした記者リン、そして麻薬密売で対立する二つの犯罪組織ユーカーとファロについてが描かれました。
リンはヤッカラのストリートとギャング団、そこに所属する少年たちの実情を連載し、ギャング団を取り仕切る組織ファロから煙たがられていました。
そんなリンを守ろうとダニオは危険を冒しバードンへとやってきたのでした。
時代の変化と組織の若頭マルティの影響で麻薬の取り扱いを始めたユーカー。
その事で元々麻薬を取り扱っていたファロとの関係が悪化。
そんなファロを後ろ盾に持つギャング団の一員、ダニオがユーカーの構成員ジャコモに保護された事で事態はより複雑になったようです。
今回はそんな登場人物の中でも、ダニオを保護した組織の男、ジャコモが印象に残りました。
寡黙で必要な事以外話さない淡々と仕事をこなすタイプの印象だったジャコモ。
そんな彼がダニオを助けたのは、ダニオがかつての自分に見えたからでした。
他に道がなく、裏社会で生きるしか出来なかった自分。
ダニオに手を貸し、表社会に戻す事。それはかつての自分を救う事だったのかな。
エピソードを読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
組織の若頭、マルティの台頭で変化するユーカー。
その変化がハートたちの生活にどんな影響を及ぼすのか。
次回はどんな事が起きるのか、読むのが楽しみです。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。