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ダンジョン飯 第十二巻 あらすじ・感想

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ラーメン
ダンジョン飯 12 ハルタコミックス

作:久井諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン

迷宮の主であった狂乱の魔術師シスル。
彼はライオスの奮闘、そして復活した翼獅子により欲望を奪われたことで倒れた。

目的であるファリンの救助まであとわずか。
しかしエルフの迷宮調査隊「カナリア」の訪れにより一行は襲撃を受け、隊長のミスルンに追い詰められたマルシルは翼獅子に願い、迷宮の主となった。

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あらすじ

「カナリア」の襲撃というアクシデントで迷宮の主となったマルシル。
彼女の願いは種族間の寿命の格差を消す事。

エルフと人族の混血児、ハーフエルフであるマルシルはエルフよりも長い千年の寿命を持っていた。
彼女は百年後も仲間たちと笑い過ごしていたかった。

しかし、人族であるライオスやファリン、ハーフフットのチルチャック、ドワーフのセンシ、獣人のイツヅミたちは誰もが彼女を置いて先に逝ってしまう。

人族だった父の死により、マルシルの心にはずっと種族間の寿命差へのわだかまりがあったのだ。

一方、マルシルが迷宮の主となったことで混乱する迷宮内。
ライオスたちはマルシルと合流するため、彼女が生み出した見慣れない魔物とカナリアの使い魔たちに対処しつつ、迷宮を進み……。

感想

今回はマルシルが迷宮の主となったことで、変化する迷宮とその事で困惑する冒険者たち、カナリアの使い魔とコアトル、マルシルの願いとライオスたちとの確執、地上を迷宮化するため溢れた魔物、マルシルとの再会などが描かれました。

今回はその中でも翼獅子(悪魔)の設定が興味深かったです。

翼獅子は強力な力を持った魔物ではなく、別次元に存在する力そのもので、彼が求めているのは知的生命体がもつ欲望でした。
欲望は彼にとっては飴玉のようなもので、有り余る力を迷宮の主に与える事でその欲望を叶えさせ、発生した感情を舐めとっているようでした。

ファンタジーやSFで登場する人より高次の存在。
巨大な力と広い認識力を持つ神や悪魔と呼ばれる者。
ただ、翼獅子自身には人間のような目的は無く、人の欲望を味わいたいという本能に従っているだけのようでした。

人語を介し意思の疎通は可能でも、根本的に人とは認識を異にする者。
エピソードを読んでいてそんな異質さを感じました。

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まとめ

いずれ訪れる別れの寂しさを思い、種族的な寿命の撤廃を望んだマルシル。
この巻のラストでは翼獅子に思考を誘導されていたマルシルとライオスたちは再会を果たします。

迷宮内であればどんな願いも叶えてくれる(ドッペルゲンガーのような偽物もあり)翼獅子。
ライオスたちがその翼獅子にどう対抗するのか。
次巻も楽しみです。

お読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのtakedahrsの画像です。
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