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片喰と黄金 第九巻 登場人物・あらすじ・感想

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トルネード
片喰と黄金 9 ヤンマガKC

著:北野詠一
出版社:講談社

ベルの父を殺害した兄を持つポタワトミ族のワワタシ。
そんな先住民族への憎しみを捨てきれない軍人のベル。
因縁を持つ二人の出会いは互いの血を呼び……。

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登場人物

ユージン、エズメ、チャド
西へ向かう開拓者のイギリス人の三兄弟
牛が死に、馬車が壊れた事で立ち往生。
西に向かって進んでいたアメリアたちを襲撃する。
育ちがいいらしく、世間知らず。

デイジー
三兄弟が連れていたパグ
コナーにすぐ懐いた。
可愛い。

あらすじ

ベルの父親を殺し姿を消した兄。
兄の犯したことの償いをしようと、ワワタシはベルに殺されるつもりだった。

しかし、脳裏に浮かんだ兄の「抗え」という言葉でワワタシは我知らず手にした斧を振り下ろしていた。

ワワタシの斧を足に受けたベルは、それまで閉じ込めていた先住民に対する怒りと侮蔑をぶちまけた。
ワワタシも武力によって土地を奪い、平穏を望み口を噤んだ憤りをベルにぶつける。

先住者と開拓者。
怨恨を持つ二人は互いの怒りをぶつけ合い争う。

そんな二人に巨大なトルネードが迫っていた。

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感想

今回は先住民、ポタワトミ族の少年、ワワタシとアメリカ軍人、ベルの戦いから始まり、トルネードからの退避、ワワタシとアメリア、コナーとの対話、ベルの決断と後悔、コナーの合流と旅の再開、三兄弟の襲撃、エズメとチャドの罪、飢饉とイギリスの罪などが描かれました。

その中でも今回はアメリカ軍人、ベルの行動が印象に残りました。

ワワタシと戦いの最中、二人に向かってトルネードが近づきます。
ワワタシを振り切ったベルはつないでいた馬に乗り、一人退避を試みます。

しかし、彼は草原に倒れたワワタシの腕を掴み馬に乗せると二人でトルネードから逃げ伸びました。
ベルにとってワワタシは父を殺した男の弟。
仇の身内であり、直前まで怒りのままに争っていた相手でもありました。

しかし、それでもベルはワワタシを救い、ワワタシもトルネードから退避後、力尽き動けなくなったベルに止めを刺す事はしませんでした。

憎しみと怒りがあふれながらも、それに身を委ねることが出来ない。

二人のいう「正しい」生き方。
憎しみを抑え込み、激情ではなく理性で己を律する。

苦しみ悩みながらそれを選んだ二人がなんだかとても恰好良かったです。

まとめ

この巻の終盤、アイルランドで起きた大飢饉による被害は、救済策を打たなかったイギリスにも非があるとアメリアは知りました。
そんな中、旅の仲間となったイギリス人の三兄弟の長男、ユージンが病に倒れ……。

アメリアは家族を失った飢饉被害の一端を担ったイギリス人を許せるのか。

作品は次巻で完結の模様。
物語の幕がどう下りるのか、読むのが楽しみです。

この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読み頂けます。
作者の北野詠一さんのアカウントはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはpixabayの0fjd125gk87による画像です。
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