違国日記 3 フィールコミックス
著:ヤマシタトモコ
出版社:祥伝社
人見知りな小説家と、その姉夫婦の遺児の同居生活を描いたお話です。
友人のえみりと行き違い卒業式に出なかったり、色々ありましたが、朝は中学を卒業し高校生になりました。
あらすじ
高校に入学した朝は、自分が両親と死別し、小説家である叔母と同居している事を話し、なんとなく一人になってしまう。
特殊な立場をアピールする事で、目立ちたかったのだと思い、反省した朝は、槙生に意見を求めるが、ドライな意見しか出てこない。
一方、槙生は朝が家に友達を招いた事で、激しくストレスを感じ、他人と生活する息苦しさを覚える。
その後、仕事モードに入った槙生に、朝は素っ気無く扱われ言いようのない寂しさを感じてしまう。
朝は部屋から出てきた槙生に怒りをぶつけるが、槙生には彼女が何に怒っているのか理解できない。
槙生は朝に、私たちは別の人間だからお互い理解する事が出来ない。
それでも歩み寄ろうと提案する。
感想
槙生は人といると、とても疲れるし、一人でないと仕事も出来ません。
朝は一人で放っておかれるのが、寂しくてたまりません。
朝の感じている寂しさ、槙生の感じている息苦しさは、それぞれ当人だけの感情で、他の誰にも理解する事は出来ません。
自分と槙生は別の人間で、分かり合うことは出来ないんだ。
そのことを朝は理解します。
また時折描かれる母の記憶から、朝は槙生に母の代わりを求めているように感じました。
しかし、槙生は母とは全く別の価値観で生きているため、母と違い行う事に反対も賛成もしません。
それにより朝は判断基準を見失い、混乱してしまったのだと思います。
二人が歩み寄り、一巻の第一話のようになるには、まだしばらくかかりそうです。
まとめ
人見知りなので、槙生の言うセリフはすごくよく分かり、彼女の方に強く感情移入して読んでしまいます。
朝の友人、えみりとの会話のシーンは、そうそうと激しく共感してしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
作者のヤマシタトコモさんのTwitterはこちら。