DOG SIGNAL ドッグシグナル 9 ブリッジコミックス
著:みやうち沙矢
出版社:KADOKAWA
六匹の犬と暮らす大御所女性タレント、西王子貴江(にしおうじ たかえ)。
そんな彼女をメインに始まった新番組、わんわんハッピー。
愛犬バラエティーを謳ったその番組に出演することになった、駆け出しアイドル、唐津翔太郎(からつ しょうたろう)。
犬好きの彼はアイドルとして顔が売れ、犬とも触れ合える番組なら最高だとオーディションを勝ち抜き出演枠を手に入れた。
しかし、いざ収録が始まると番組スタッフも西王子も犬の事は考えてはいなかった。
登場人物等
唐津翔太郎(からつ しょうたろう)
アイドルユニット「レア☆クレステッド」のメンバー
メンバーの中で特に突出した部分を持たず、人気も最下位だが犬が大好きだという事については自信がある。
西王子の新番組「わんわんハッピー」に出演する事が決まったが……。
西王子貴江(にしおうじ たかえ)
自称犬好きのおばさんタレント
丸々とした太った犬を好み、自分の飼い犬たちに人間のお菓子、餡子やケーキなどを与えている。
嫌い。
キャン
ペドリントン・テリア
わんわんハッピーの看板犬。
いつもスタジオの隅で待機させられている。
そんなキャンを気遣っているのは翔太郎だけ。
西王子の趣味で本来スマートな犬種であるキャンを太らせる企画が始まり……。
リイリイ
多分チワワ
西王子の飼い犬の中の一匹。
太った犬が可愛いという西王子のエゴにより、体に負担となるほど太らされている。
橋本百合(はしもと ゆり)
チワプーきなこの飼い主
黒髪ロングで鼻息の荒い関西人の女性。
きなこのインターホン吠えをやめさせたいとProud Dogを訪れる。
人との距離が近い。
きなこ
チワワとプードルの混血種、チワプーの雌
インターホンに反応し激しく吠えるようになってしまった。
江口
Proud Dogの顧客の一人
肩口ショートの老婦人。
夫の出張で三か月の独身生活を楽しむつもりだったが……。
レオ
ミニチュアシュナウザーの雌
江口の愛犬。
夫の出張で一人暮らしとなった江口が不安定になったため、レオも挙動不審となる。
あらすじ
大物タレント、西王子貴江。
彼女をメインに据えた新番組、わんわんハッピー。
犬好きによる犬好きのための愛犬バラエティ。
そんな触れ込みで始まった番組だったが、看板犬のキャンは暑いスタジオの隅で何時間もケージの中で待機させられ、そんなキャンを気遣っているのは翔太郎だけという状態。
さらに犬好きを自称している西王子は、飼い犬たちに人間のお菓子を与え、自分の好みのために無理やり太らせていた。
そもそも人間の食べ物は犬には味が濃すぎるし、肥満や糖分の取りすぎは様々な病気を引き起こす。
さらには西王子は看板犬のキャンが痩せていて可愛くないと言い出し、翔太郎とキャンが共に暮らし、キャンを太らせるという企画を提案。
ペドリントン・テリアのキャンはスマートな犬種で、特に痩せているわけではない。
キャンの事を考え、翔太郎は悩むが大御所の西王子に駆け出しの彼が反論する事は出来なかった。
ただ、翔太郎はキャンを無理やり太らせる事は出来ず……。
感想
今回は冒頭、大御所タレント西王子と駆け出しアイドル翔太郎のエピソードから始まり、インターホン吠え、以前登場した老婦人、江口奥さんと愛犬レオのお話の三つが収録されました。
今回はその中でも冒頭の西王子のエピソードが印象に残りました。
まん丸に太った犬。
確かに見た目が可愛い事は否定しません。
しかし人間と同様、度を越えた肥満は体に様々な弊害を生み出します。
体重の増加は心臓や四肢に負担をかけるでしょうし、様々な病の原因ともなるはずです。
以前、登場した未祐(みゆ)の元カノ、優子(ゆうこ)のように見た目の愛らしさだけを求め、飼い犬たちを太らせていた西王子。
ドッグトレーナー、眞一郎の一喝と翔太郎の叫びで西王子は反省し変わったようですが、太った犬や猫を可愛くコミカルなものとして扱うテレビ番組などは、やめて欲しいなぁとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
後書きに書かれていましたが、当初、あまり売れていなかった本作もアニメ化決定。
面白くても売れなければ打ち切られてしまう昨今、本当に良かったなぁと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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