虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT- 6 ヤンマガKC
著:ippatu
出版社:講談社
核大戦によって滅んだ旧日本。
その日本にある秘密兵器「TORATSUGUMI」
それを探すレオーネ達の旅路を描いた作品。
佐渡に暮らす神の眷属を名乗る、み空の民。
そのルーツが書かれた法律書原本を、巨大なミュータント、権現が守っていた金山で入手したレオーネ一行。
そんな彼らを抹殺すべく、み空の民の宰相、おもいかねは兵を差し向けるが……。
登場人物
しろ
つぐみの祖父、オオクニヌシが退治しようとしていた人面と翼を持った巨大な獣
権現と呼ばれ金山に近づく者を襲っていたが、つぐみには従順な様子を見せる。
かつて研究で生まれた生物兵器、NUE(ぬえ)の変異体。
工藤(くどう)
人間に放射能耐性を付与する研究をしていた男
数々の合成生物やつぐみの祖先である佐渡の民や、仲間の一人、たまのの種族、イカホの民を作り出した。
オオクニヌシ
つぐみの父方の祖父
み空の民、トラツグミ族の老人。
獣狩というトラモドキを狩る組織を立ち上げた。
その目的はゴンゲンと呼ばれる金山を守る人面獣身(スフィンクスっぽい)獣を狩ること。
地声がでかい。
すせり
つぐみの母方の祖母
つぐみの母、ふうかの母親で佐渡で宿兼喫茶店を営んでいた。
現在は富士の樹海にある獣狩の里で大衆食堂渡海(とみ)を営んでいる。
結構な年齢のはずだが、見た目は若いまま。
マナーのなっていない孫娘のつぐみに厳しく躾を行う。
暴れるつぐみを抑え込めるほど強い。
ダイナミックキナシ
大神実(おおかむづみ)と呼ばれる希少な桃の木が生えた軍事施設の番人
トゲの生えた鉄棍のような仮面を被ったマッチョの巨漢。
金山で手に入れた薬によって進化したドゥドゥと死闘を繰り広げる。
ファイトスタイルはプロレスチック。
件(くだん)
牛頭のミュータント
獣狩の里で駄菓子屋を営んでいる。
彼女もつぐみをボコボコに出来るぐらい強い。
あらすじ
神の眷属だというみ空の民のルーツ。
それを守るため、西軍の宰相、おもいかねはレオーネ達を襲撃。
戦いには東軍も参戦し、前線に出ていた西軍の執政、やまつみは法律を変えてまで結婚しようとしていた妹、のづちに討たれた。
つぐみもその戦いに参戦し西軍の戦士を圧倒する。
そんな中、宰相のおもいかねはつぐみを奇襲するが、叫んだことで刃を簡単に躱された。
その後、姿を見せた権現により西軍は撤退。
つぐみは権現と念話?によって会話し、権現がつぐみの母方の祖母、やがみの育ての親だと知るのだった。
感想
今回は嘘によって西軍を支配していたおもいかねの襲撃から始まり、権現とつぐみとやがみ、たまによるミュータント誕生秘話、金山の薬の効果と進化、権現(しろ)に乗り再び本土へ、富士の樹海、獣狩の里、サプライズと番人対ドゥドゥ、さたけとの再会等が描かれました。
今回はその中でもつぐみ達、ミュータント誕生秘話が興味深かったです。
研究者、工藤が政府の命令で作った生物兵器、それが物語に登場した様々な異形達の正体でした。
また、つぐみ達、佐渡の民は人間に放射能耐性を付与する研究で作られたようです。
ただ、工藤が存命中には完成形である、より人に近い佐渡の民を生み出す事は出来ず、250年経ってつぐみという突然変異により、ようやく工藤の求めた完成形が生まれたという事でした。
ただ、人が放射能耐性を持ったとしても、核兵器の熱に耐えられるとは思えず、当時の政府が何を求めていたのか少し疑問が残りました。
まとめ
これまで謎だったミュータントたちのルーツが判明し、物語はクライマックスに向かうようです。
恩赦を求めてフランス政府の命令に従っている死刑囚レオーネ。
彼がどんな決断を下すのか、次も読むのが楽しみです。
この作品はヤングマガジン公式サイトにて無料で第一話がお読みいただけます。
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