自転車屋さんの高橋くん 6 torch comics
著:松虫あられ
出版社:リイド社
遼平(りょうへい)と一緒に暮らしたい朋子(ともこ)
しかし、持病持ちの祖父、惣司(そうじ)の事以外でも遼平は同棲に及び腰な様子だった。
朋子的には惣司と三人、遼平の家で暮らしてもいいと思っていたが、遼平は惣司の世話を朋子に焼かせるのは違うと感じているようだった。
そんな遼平の言葉を聞いて惣司が問題なのではなく、遼平の問題のように朋子には感じられた。
登場人物
サヨ
遼平の祖父、惣司の家のお隣さん
五十年前はショートカットの可愛い系女子。
現在はショートカットの小柄な老婦人。
家は八百屋さん。
父親が配達に使う自転車の調子が悪い事で、手先の器用な惣司に自転車屋を初めてはどうかと提案した。
ハルカ
遼平の祖母
約五十年前の姿は黒髪ロングの美人。
惣司と別れ家を出て行った。
別れた理由は不明だが、なんとなく頑固で一匹狼気質の惣司の所為な気がする。
あらすじ
旅行の計画を遼平と話している最中、朋子は彼に同棲の事を切り出した。
しかし、遼平は祖父惣司の事もあり、同棲には及び腰だった。
惣司と一緒に三人で遼平の実家、惣司の家に住んでもいいと朋子は提案したが、そうすると朋子は惣司の世話をしてしまうだろうと遼平は難色を示した。
朋子と一緒に暮らすのは、惣司の世話を焼かせるためではない。
遼平はそう言って、どうするべきか頭をひねる。
惣司は老人ホームに入るタイプではないだろうし、すぐ答えの出る事ではないだろう。
朋子はそう口にしつつも、問題は惣司ではなく、遼平の気持ちにあるように感じていた。
感想
今回は旅行計画の話し合いと二人の同棲についてから始まり、朋子の母、聡子(さとこ)と遼平の父、ゆい(進司(しんじ))の出会い、朋子の友人、貴美子(きみこ)と駿河(するが)の結婚パーティー、遼平と朋子の元同僚、耕起(こうき)、静岡旅行、一緒に暮らし始めた聡子とゆい、遼平の祖母と指輪と朋子の決断などが描かれました。
今回はその中でも同棲に躊躇する遼平の姿が印象に残りました。
この巻の冒頭、描かれた父親に実家に置いて行かれた遼平の記憶。
朋子と同棲し一つ屋根の下で暮らすという事は恋人ではなく、家族になるという事。
父親に捨てられた遼平にとって、その家族が壊れる事は実体験として心に残っており、その事が彼が同棲に及び腰な理由なのかなと読んでいて感じました。
まとめ
この巻のラスト、プロポーズしようとしていた遼平に、朋子は二年間、東京へ戻ろうと思っていると告げ……。
続きが気になります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。