ヴィンランド・サガ20 アフタヌーンKC
作:幸村誠
出版社:講談社
団長の座をめぐって分裂した、ヨーム戦士団の諍いに巻き込まれたトルフィン。
仲間が危険にさらされるのを避けるため、彼らと別れヒルドと共に行動する。
ヴァグンの駐屯地で、税の代わりに差し出された娘たちを救い出したトルフィンとヒルドは、途中ガルムの襲撃に遭うも娘たちの助けを借り漁船で仲間の待つオーゼンセに向かう。
一方ガルムはフローキーの命令でトルフィンを追う。
彼と戦う餌としてヴァグンを倒すが、トルフィンは逃げる事を優先し戦おうとしない。
さらにヴァグンを横取りされたトルケルは怒り狂い、その矛先はフローキーに向けられた。
トルケルはヴァグンの残党を率いヨムスボルグに向かう。
トルフィンと戦う事を切望するガルムは、トルフィンを誘き出すため、オーゼンセで待機していたエイナル達を拉致、トルフィンにヨムスボルグに攻め手として加わるようギョロに言い残し、その場を後にした。
フローキーは命令を無視し勝手な行動をとるガルムを拘束。
トルフィンはオーゼンセでギョロと合流し、エイナル達が攫われた事を知り救出のため、ヨムスボルグに向かうのだった。
第140話 バルト海戦役16
あらすじ
フローキーはトルケルとヴァグン残党の連合軍、約1000と海を挟み対峙していた。
交渉での解決を望むフローキーは、ガルムを差し出し事を治めようと考えていた。
対するトルケルの陣営では、捕縛され奴隷としてトルケルの下で働いていたシグルドが、戦の準備を進めていた。
鎖を手に入れ、使い心地を確かめていると、トルケルから声をかけられる。
シグルドの鎖の技を見たトルケルは、戦場では自分の近くで戦えと口にする。
トルケルを崇拝しているシグルドは、彼と肩を並べて戦う事で新たな伝説が紡がれる事を夢想する。
そんな彼を仲間たちは冷静に見つめた。
仲間の一人がシグルドに、グズリーズを連れ帰ることが旅の目的ではと話すが、シグルドは船が燃やされてしまった以上、手柄をたてて船をもらわないと先に進めないと返した。
仲間たちは手柄を立てると言っても、戦争で死んだら元も子もないと話す。
シグルドは、仲間を戦場に連れて行くつもりは無く、戦列に加わるのは自分一人だ心配するなと彼らに言う。
それに対して仲間は言った。
「シグやんの身を心配しているんだよ、友達として」
シグルドは友達じゃなくて手下だろう、オレは大ハーフダンの息子だ。大首領に友達はいらない、周りにいるのは手下か敵だと話す。
しかし仲間の四人は、お父さんはそうかも知れないけど、シグやんは友達多いよ、手下はいないけどと笑って返す。
それにシグルドは訝りながら、何を勝手にと呟いた。
その後、トルケルの下にフローキーからの使者が訪れる。
使者はガルムを差し出し、トルケルとの和解を試みるが、戦争がしたいだけのトルケルは和解を受け入れず、交渉は決裂する。
ひとりトルケル軍に残されたガルムは、トルケルを挑発。
挑発を笑って受け入れ、トルケルは余興としてガルムと戦う事となった。
トルケルの配下が見守るなか、トルケルとガルムの一騎打ちが始まった。
開戦が迫る中、エイナル、レイフ、グズリーズを救うためトルフィンを乗せた船はヨムスボルグに向かっていた。
感想
囚われた三人を救うため、トルフィンはヨムスボルグを訪れます。
戦争がしたくて堪らないトルケルと、殺し合いにしか興味の無いガルムの存在が、混乱を助長します。
終盤、トルケルの陣営に集まった全員が、トルフィンに詰め寄るシーンは、面倒見の良い彼の今後の苦労が垣間見えるようでした。
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