三十路病(みそじびょう)の唄 5 芳文社コミックス
作:河上だいしろう
出版社:芳文社
30歳、高校の同窓会で再会した六人は意気投合。
諦めきれない夢を追う為、仕事を辞めシェアハウスで暮らし始める。
今回はプロゲーマーを目指すラスボスのエピソードが一冊丸っと収録されました。
登場人物
あいあい
人気動画配信者
ゲーム実況配信の他、その他の企画も好評な人気wetubar。
六四分けで目鼻立ちのくっきりした青年。
動画撮影の場ではテンション高めだが、カメラが回っていないところでは礼儀正しく真面目。
世界最大規模のeスポーツ大会「ユグドラシル」の国内予選、通称「ミズガルズ」でのラスボスの一回戦の相手。
ゲーム配信者だけあって、どんなゲームも小器用にこなす。
その裏には地道な努力があった。
かにばる
ミズガルズでの桜木(さくらぎ)の対戦相手
くせ毛ロングの青年。
桜木は格上のかにばる相手に善戦するが……。
あらすじ
ユグドラシルの国内予選、別名「ミズガルズ」。
その開催日が近づきラスボスの気持ちはざわついていた。
予選はダブルエリミネーション。
一度負けても、負けた者同士のトーナメント戦で敗者復活もあり得る。
しかし、予選一日目はBO3、三本勝負の二本先制制。
ラスボスは相手の行動やパターンを把握し、それに合わせ戦うスタイル。
BO3では相手を読み切る前に勝負が決まってしまう可能性が大きい。
そんな焦りでラスボスはついお気楽なムッシュについ当たってしまう。
そんな中、予選のトーナメント表が発表された。
ラスボスの初戦の相手は人気wetubarのあいあい。
チャンネル登録者数は170万。
ラスボスと同じくプロゲーマーを目指す仲間、7iro(なないろ)の話ではどんなゲームをプレイしてもなかなかに上手く、ゲーム以外の企画も好評、企業とのコラボなども行っているらしい。
選ばれた側の人間。
否が応でも自分が選ばれなかった側だと思い知らされる。
「選ばれた側」対「選ばれなかった側」か……。
そんな事を思ったラスボスを緊張が襲う。
それを見て取った7iroは「良かったじゃないスか!!」と笑顔を見せた。
「…………は?」
「緊張すんのって、勝てる見込みが自分であるって思ってる証拠スもん! それだけやってきたって事っスよ!」
7iroの言葉でラスボスは気づく。
選ばれた側、選ばれなかった側。
そんな言い訳をしないっようにやってきた。
レッテルを貼ったのも自分自身だ。
“ありがたい”
ラスボスは心の中で感謝しながら、自らが気持ちに張り付けた凡人というレッテルを引きはがした。
感想
今回はeスポーツ大会「ユグドラシル」の国内予選、ミズガルズの開催が近づき焦るラスボスから始まり、7iroやプロゲーマー、AKIら(あきら)のアドバイス、ミズガルズの始まり、桜木の第一回戦と大会の感想、ラスボス対あいあい等が描かれました。
その中でも今回はAKIらのプロゲーマーに対する気持ちが印象に残りました。
彼女は別にプロゲーマーになりたかったわけではなく、ただ純粋にスマファイというゲームが大好きで、強くなり勝つことが楽しかっただけでした。
プロゲーマーやその後の事は勝ち続けることで後からついて来ただけ。
ゲームだけに限らず、スポーツでも音楽でもその道で成功している人は成功を目標にしているのではなく、ただ純粋にそれを行う事が楽しく、やらずにはいられない。
そんな人々を天才と呼ぶ。
昔、何かで読んだそんな話をエピソードを読んでいて思い出しました。
まとめ
今回のラスト、あいあいに敗退したラスボス。
一本目は真面目なあいあいを変則的な動きで翻弄し、圧倒したラスボス。
二本目、三本目に何が起きたのか。
続きが早く読みたいです。
こちらの作品はコミックトレイルにて一部無料で閲覧頂けます。
作者の河上だいしろうさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。