傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 6 バンチコミックス
著:磯見仁月
出版社:新潮社
王太子妃マリー・アントワネットの付きの髪結い、レオナールと協力しマリーが作り上げたサンティマン・プフ(愛着風髪型)。
シャルトル公爵夫人が舞踏会で見せたその髪型は貴族達の注目を集めた。
後日、アントワネットに呼ばれたレオナールは、サンティマン・プフがマリーとの合作である事を王太子妃に告げる。
地道な努力と多くの助力により、マリーの名はようやく王太子妃の耳に届いた。
登場人物紹介
ルイ・ジョセフ
ブルゴーニュ公爵
王太子オーギュストの兄。
王位継承者。
オーギュストは彼を敬愛し、ジョセフも弟に恥じない王たらんとした。
紙製の馬から落ち、傷を負いその傷の悪化が元で亡くなった。
オーギュストは彼を支え生きるつもりだった為、自らが王になる事に強い不安を抱いている。
ピエール
レオナールの弟
パリにてレオナールの仕事を手伝う。
ヴィラヌー
レオナールの従弟
パリにてレオナールの仕事を手伝う。
フレモン
レオナールの親友。
パリにてレオナールの仕事を手伝う。
レオナールを中心に弟フランソワを含め、上記三名はレオナール社という形で活動している。
モールパ伯爵
新宰相
亡きポンパドール侯爵夫人の宿敵。
24年間の亡命を経て宰相に就任した。
オーストリア派の力が大きくなる事を嫌い、新たに国王となったルイ16世(オーギュスト)とアントワネットが二人きりになる事を邪魔する。
ヴェルジェンヌ伯爵
新外務大臣
ベテラン外交官であり、後にアメリカ独立戦争で活躍した。
彼もオーストリア派の力が増す事を懸念している。
あらすじ
マリーの名はようやく王太子妃、アントワネットの耳にも届き、全ては順風満帆に進んでいる様に見えた。
だが、国王ルイ15世が天然痘を患い崩御してしまう。
それによりルイ15世の公妾であり、マリーの盟友でもあったデュ・バリー伯爵夫人(べキュー)はヴェルサイユを去る事となった。
その美貌で王の寵愛を受け、元お針子でありながら公妾まで上り詰めたマリー・ジャンヌ・べキュー。
様々な醜聞が宮廷には流れていたが、べキューは確かに国王ルイ15世を愛していた。
マリーはそんなべキューにベールを送り、アデュ―と永遠の別れを告げる彼女に
「オー・ヴォワール!! マダム・デュ・バリー!!」
と再会を意味するさよならを返すのだった。
感想
今回はオーギュストの兄、ジョセフのエピソードから始まり、ルイ15世崩御、デュ・バリー伯爵夫人との別れ、パリ市民の暮らし、新国王として即位したルイ16世(オーギュスト)とアントワネット、マリーのドレスと王妃アントワネットとの謁見などが収録されました。
今回はその中でもデュ・バリー伯爵夫人(べキュー)との別れが印象に残りました。
この作品では物語の初期からマリーと絡み、生き方は違えどお互いに認め合う関係だった二人。
王宮を去った彼女が今後、マリーに会う事があるのか不明ですが、賢く強かな彼女がとても好きでした。
まとめ
この巻のラスト、マリーはようやく王妃マリー・アントワネットと謁見を果たします。
次巻では王妃のモード商(ファッションデザイナー)としてマリーは活動を始めるようです。
どんな事が起きるのか、次巻も読むのが楽しみです。
こちらの作品はコミックバンチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。