親に売られた私の幸せな家族 1 ガンガンコミックスONLINE
著:鉢谷くじら
出版社:スクエアエニックス
親に売られ工場で僅かな食事で働いていた少女、ソフィア。
工場での過酷な労働で左足を壊した彼女は、売りに出され加虐性愛(サディスト)の噂のある青年、ウィリアム・オルドリッジに買われる事になり……。
登場人物
ソフィア
深い茶色の髪の少女
母から疎まれ育ち、身売りされ、その後、彼女を買った工場で劣悪な環境での重労働を強いられる。
その重労働により左足を痛め、再度売りに出され若くして財を成したウィリアム・オルドリッジに買い取られる。
ウィリアム・オルドリッジ
死んだ目をした金髪の青年
商才に富む実業家の青年。
誰も買わない難ありの奴隷を買い漁る奴隷収集家であると同時に、加虐性愛者と噂される人物。
リサ
ソフィアの母親
夫が出ていったのはソフィアがいたからだと、彼女に辛く当たり、最終的に彼女を人買いに売り渡した。
シャーリー
黒髪の前髪で目を隠した背の高い女性
彼女もウィリアムに買われた者の一人。
掃除係としてオルドリッジ家で働いている。
お茶を淹れるのが得意。
アイザック
灰色の髪の老紳士
ウィリアムに買われた元奴隷
屋敷では料理と買い出しを担当している。
奴隷になる前は教師だった。
トマ
銀髪の幼い少年
ウィリアムに買われた奴隷の一人。
先輩としてソフィアの教育係を任される。
体が覚えている事以外の記憶が、三日おきにリセットされる。
その為、毎日、その日の出来事を日記につけている。
仕事は洗濯係。
好物はトマトでトマという名はそこからウィリアムが付けた。
あらすじ
奴隷収集家であり加虐性愛者と噂される事業家の青年、ウィリアム・オルドリッジ。
彼に買い取られた少女、ソフィアはそんな噂とこれまでの経験からウィリアムに対し強い警戒感を抱いていた。
しかし、顔合わせをしたその金髪の青年は、死んだ目をしていたものの、ソフィアに手を上げるのではなく、怯えた彼女の頭を優しくなでた。
ウィリアムの予想外の行動に混乱するソフィアは、彼の意図を掴もうとウィリアムの顔を見上げた。
「今日までよく頑張ったな」
ウィリアムはそう言って微笑み、わしゃわしゃとソフィアの頭を撫でた。
「なんだあんた、なんだあんた!!!」
赤面し声を荒げるソフィアにウィリアムは元気でいいなと頷いた。
感想
母親に疎まれ人買いに売られ、劣悪な環境で重労働を課せられていた少女、ソフィア。
彼女は人が信じられず、当初は食事を与え、清潔なベッドを用意したウィリアムの事も信用できずにいました。
そんなソフィアも屋敷で暮らす他の使用人(元奴隷)達と触れ合う事でだんだんと打ち解けていき……。
かつて火事によって家族を失い、その火事が原因でオルドリッジ家が行っていた奴隷処分という裏稼業の存在が判明し、街の住人から忌み嫌われる存在となったオルドリッジ家。
ウィリアムは自身の力で実業家として成功し、故郷に戻ってきたようですが、依然としてオルドリッジ家の悪名は街に蔓延しており……。
作中、ちょっとした行き違いから仲たがいしたソフィアとウィリアム。
二人はその後、トマと共に夜空の星を庭に寝ころび見て、和解することとなります。
行き場のない奴隷を買い漁っているウィリアム。
天涯孤独となった彼が奴隷を買うのは、実家の行ってきた奴隷の処分への罪滅ぼしだけではなく、彼自身が家族を求めていたからじゃないか。
芝生に寝ころび星を見上げる三人を見ていてそんな事を思いました。
まとめ
オルドリッジ家にまつわる不名誉な事実。
現在の家長、ウィリアムがそうでない事を証明しようと、ソフィアはアイザックの提案で学校に通い噂を払拭しようと決意します。
彼女の通う学校ではどんな事が起きるのか。
次巻も読むのが楽しみです。
この作品はガンガンONLINEにて第一話が試し読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。