黒鉄のヴァルハリアン 6 ヤングジャンプコミックス
著:松原利光
出版社:集英社
自身と同じくヴァルハラに召喚されていた息子、武丸(たけまる)を追って更に上の世界へと足を踏み入れた鎌倉武士、相馬鉄二郎(そうま てつじろう)。
その上の世界で現世につながる世界樹の根を探すナポレオン率いる艦隊と鉄二郎は戦う事となる。
ヴァイキングの島を襲ったナポレオンの配下、ジャンヌ・ダルクとベルトラン・デュ・ゲクランはそれぞれ、クリクソス、そして関羽が下した。
鉄次郎は首魁であるナポレオンを討ち取るため、彼の乗る旗艦へと乗り込み……。
あらすじ
銃を装備したナポレオンの部下達を鉄二郎は愛刀、月震で両断。
甲板の上、皇帝ナポレオン・ボナパルトと対峙する。
相手が如何に武器を生み出せるとしても、ナポレオンは目と鼻の先。
十分に鉄二郎の間合いの内だ。
しかしナポレオンは幹部の二人、ジャンヌとゲクランが負けた事を察してもその余裕に変わりはなかった。
ナポレオンは次々とギロチンを生み出し、仲間がいる事にも関係なくギロチンを落とす。
鉄二郎はそんな無数のギロチンを凌ぎつつ、ナポレオンの前に歩を進めた。
王としての態度を崩さず、鉄二郎を鼠と呼ぶナポレオン。
そんなナポレオンの余裕が虚勢でないことを、鉄二郎は彼が生み出す無数の武器により感じていた。
「無駄な足掻きはよせ。我輩にたてつくは、天災に抗うに等しい程愚かなことだ」
「”天災”……だと!?」
ナポレオンの言葉を聞いた鉄二郎の持つ月震の鍔から枝葉が伸び、花びらが散る。
「違ぇな……天災ってのは人間を超越した絶対的な存在の事を言うんだ」
刃を構え踏み込んだ鉄二郎をナポレオンの生み出したギロチンが薙ぐ。
しかし、ギロチンが通り抜けた下、低く身構えた鉄二郎は驚くナポレオンを見上げていた。
「テメェは絶対的じゃねェ」
俺らと同じ死戦士(人間)だ!
真っすぐに振り上げられた月震の白刃はナポレオンの頬を掠め、これまで傷つく事無く一方的に敵を蹂躙してきた皇帝に傷を付けた。
感想
ヴァルハラに招かれた過去の英雄たち。
その英雄が率いる無限に蘇る死戦士相手に戦う、鎌倉武士、相馬鉄二郎の物語もこの巻で完結。
今回はナポレオンとの決着と、物語の顛末が描かれました。
個人的には息子、武丸や仲間たちと共に英雄たちをヴァルハラに招くよう指示した神々と戦って欲しかったのですが……。
ともかくとして、ミズガルズの人たちが平和に暮らせるようになって良かったです。
まとめ
小柄な武士が屈強なローマ兵や剣闘士、大兵団を相手に立ち回る。
鉄二郎が理不尽で強力な敵を次々と切り伏せる姿は見ていてスカッとしました。
個人的はもっと時代を進めて、ティガー戦車とかを一刀両断して欲しかったです。
この作品はとなりのヤングジャンプにて一部無料でお読み頂けます。
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