真夏のグレイグー 1 KCデラックス
著:井上智徳
出版社:講談社
研究学園都市として知られる茨城県つくば市。
そのつくば市にあるつくば研究学園高校に通う女子高生の真夏は、赤点を取り担任の山田から夏休み特別補習を言い渡される。
同じく補習を言い渡された友人のつむぎ、綾乃の二人と真夏が補習をうけていると、突然、自衛隊のヘリが校庭に着陸し……。
登場人物
蔵式真夏(くらしき まなつ)
つくば研究学園高校の生徒の一人
黒髪セミロングの女の子。
実家は道場でそのため、剣道は一流だが勉強は苦手。
水鳥川つむぎ(みどりかわ つむぎ)
つくば研究学園高校の生徒の一人
金髪ゆるふわおさげの女の子。
主に昆虫系の企画をアップする動画配信者。
その動画配信チャンネル「つむぎちゃんねる」は登録者数10万人越え。
山路綾乃(やまじ あやの)
つくば研究学園高校の生徒の一人
黒髪ショートの女の子。
サバイバル技術を磨く少女。
訛ってる。
真夏、つむぎ、綾乃の三人は担任の山田から赤点のための夏休み特別補習を言い渡される。
山田(やまだ)
つくば研究学園高校の教師
黒髪刈り上げの教師。
張り付いた笑みのジャージでマッチョな男。
真面目で融通の利かない典型的な体育教師だが英語とかも教えている。
多分、生徒指導とかやってる。
弓月理々火(ゆみづき りりか)
つくば研究学園高校の生徒の一人
黒髪ロングの美少女。
防衛大臣の娘で成績優秀。
久遠(くおん)
真夏たちの幼馴染
五年前、真夏の前から姿を消した。
幾島七海(いくしま ななみ)
防衛省秘書官
まとめ髪の美女。
つくば市で起きたナノマシンの無限自己増殖「グレイグー」に対処するため、陸上自衛隊柏訓練場に作られた対策本部で陣頭指揮を執っている。
末松(すえまつ)
七海の部下
黒髪眼鏡の男性。
情報精査で七海をサポートする。
深沢(ふかざわ)
七海の部下
情報本部電波部所属の男。
ナノマシンが発する電波を特定し、増殖するナノマシンの位置情報を入手した。
マタギたち
猟銃でナノマシンを撃退しながらショッピングモールに立てこもっていた。
一応、モールに逃げ込んだ市民を守っていたようだが、仲間がナノマシンの擬態によりやられたらしく、モールに着いた真夏たちもナノマシンではないかと銃を向ける。
ベル
モールに逃げ込んだマタギが連れていた猟犬
ドーベルマン。
あらすじ
夏休みの補習中、校庭に突然自衛隊のヘリコプターが着陸する。
担任の山田はそれに憤り、抗議に行くと真夏たちに自習を命じ教室を飛び出した。
校庭に出た山田はヘリから降りた完全武装の隊員たちに部外者は立ち入り禁止だと声を上げる。
そんな山田に隊員の一人が銃を向けるが、それを制止し別の隊員がニュースを見ていないのかと山田に尋ねた。
「授業中は…テレビもスマホも禁止である!」
山田の言葉に顔を見合わせた隊員たちは、この区域で国の命令で封鎖隔離措置が取られたことを告げた。
「封鎖……!? そうか! 避難訓練ですな!?」
「違う! だから――!?」
かみ合わない会話を続けていた山田と隊員目掛け、黒い何かが近づく。
それを見た隊員たちは即座にヘリに搭乗、山田を置いて空へと逃れた。
一人校庭に残された山田に黒い何かが襲い掛かり、山田はその黒に飲み込まれた。
山田を飲み込んだのはアリの集団。
そのアリはナノマシンが無限に自己増殖を繰り返す「グレイグー」と呼ばれる現象の一端だった。
感想
食べた生体の情報をコピーし、増殖を続けるナノマシンによる暴走を描いたパニックアクション。
ナノマシンは最初に犠牲となった教師の山田を複製し、エネルギーを得るため学校に取り残された真夏たちに襲い掛かります。
形としてはゾンビ物などのパニックホラーですが、ナノマシンが襲った相手の姿や武器、記憶などを利用しているので、思考能力の低いゾンビよりも危険度は高いように思います。
五年前に消えた真夏の友人久遠。
その久遠の名を付けられたナノマシンのオリジナル。
暴走は何をきっかけに始まったのか。
物語の行方が気になります。
まとめ
一巻の終盤、つくば市からの脱出のため、ショッピングモールへと向かった真夏たち。
しかし、救助に来た自衛隊のオスプレイはフクロウに擬態したナノマシンの襲撃を受け……。
真夏たちがどう危機を切り抜けるのか、次巻も読むのが楽しみです。
この作品はマガポケにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。