パリピ孔明 12 ヤンマガKC
原作:四葉タト
漫画:小川亮
出版社:講談社
ついに始まったサマーソニア2020。
多くのスタッフの力で多彩な才能を持つアーティスト像を作り上げ、スターになった前園ケイジ。
彼の妨害により英子の歌うグリーン・プールステージは観客はまばらだった。
一方、ケイジの立つクリスタルステージは四万五千人の観客を集め……。
登場人物
森崎
中年の音楽ライター
キャップに長髪、髭のおじさん。
取材でグリーン・プールステージを割り当てられた事に腐っていたが、英子の歌を聴き、新たな才能の発見に目を見開く。
フィオナ・ノースモア
イラストレーター志望のアメリカ人留学生
赤髪ショートの女子高生。
高校時代、ミュージシャンを夢見る東山と南房と出会い、ビートルズを通して友人となる。
別れの際、東山たちはメジャーデビュー後のファーストアルバムのジャケットを、彼女に頼むと約束していた。
あらすじ
ケイジの策略。
それは英子への妨害にとどまらず、リバーサイドステージの出演者、DJ ZETT(ゼット)にも及んでいた。
ZETTはケイジからの圧力を受けステージをドタキャン。
観客たちの多くがケイジの立つクリスタルステージへと移動した。
そんな中、観客の中にはメジャーどころを好まず、英子のいるグリーン・プールステージに向かう者も現れる。
しかしグリーン・プールステージへ続く橋は、ケイジの雇った屈強なスタッフが封鎖していた。
孔明が立ち上げたレーベル、フォースキングダムの敏腕事務員、櫻井詩乃(さくらい しの)が現場に駆け付け橋の不備について尋ねるが、巨大なハンマーを担いだスタッフのリーダーらしき男は、凶悪な笑みを浮かべ詩乃を威嚇する。
そんな現場に以前、英子とコラボしたボカロPのオシカル、英子のファンで以前から影で動いてくれていたメガネボーイも駆け付ける。
さらに英子のファンクラブのメンバーも合流しケイジの用意したスタッフは橋で挟撃される事となった。
一方、依然として観客の少ない英子のステージでは、音楽ライターの森崎が更に客を呼び込もうと記事の更新を急いでいた。
感想
今回はケイジの妨害を排除し、グリーン・プールステージへの道を開いた詩乃たちのシーンから始まり、様々な経験を経て更に深みを増した英子の歌と、それに魅了された音楽ライター森崎の協力ケイジのゴーストライター、イースト・サウスの二人を復活させようとセーラー服でステージに上がったAZALEA(アザリエ)、孔明の策でケイジの下へと入り込んだKABEによる暴露ラップ、AZALEの演奏で青春時代を思い出した東山と南房、違約金と家族の思い、イースト・サウス復活等が描かれました。
イースト・サウス復活は、ケイジを追い詰めるための孔明の策の一環ではありましたが、劉備の軍師だったころと違い、孔明は歌の力で人の心に訴える方法を取っていました。
学生時代、AZALIEの三人が夢中になったイースト・サウスの「風のロック」
その曲は暴風のように南房たちの中で燻り続けていたモノを燃え上がらせ、それを家族たちが後押ししました。
全てが吹っ切れステージに立った南房と東山がすごくカッコよかったです。
まとめ
イースト・サウスの離脱、ゴーストライター疑惑で炎上するケイジ。
次巻では退路の無くなったケイジは英子と正面から対決するようです。
これまで歌の力で道を切り開き、多くの人と絆を作ってきた英子。
片や、大手代理店の要職という親の権力と金の力で、継ぎ接ぎの天才アーティスト像を作り上げてきたケイジ。
結果は見えている気がしますが、ともかくとして早く続きが読みたいです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。