悪役令嬢転生おじさん 4 ヤングキングコミックス
著:上山道郎
出版社:少年画報社
事故によりゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」に登場する公爵令嬢、グレイス・オーヴェルヌに転生してしまった公務員の屯田林憲三郎(とんだばやし けんざぶろう:52)。
憲三郎の学園生活は二学期に突入。
生徒会役員であるグレイス(憲三郎)は文化祭の準備で、それぞれクラスや部活の出し物への許可を与える立場となっていた。
本来のゲームであればグレイスは悪役令嬢として、殆どの企画に難癖を付け提案を却下していた。
しかし憲三郎の精神が入り込んだグレイスは、目新しいモノは最初は異端視されるものと全ての提案に許可を出していた。
そんな風に文化祭の準備が進む中、生徒会自身の出し物も準備せねばならず……。
登場人物
フランセット・メルキュール
魔法学園の生徒の一人。
眼鏡でおさげの前髪パッツンな少女。
下級貴族出身で演劇部所属の情報通。
本来のゲームでは彼女が主人公、アンナと友人となり様々な情報をプレイヤーに提供していた。
ジャクリーヌ・オーヴェルヌ
グレイスの母親
体調を崩し別荘で静養していた。
体の調子が戻ったようで、一度屋敷へ戻る事にしたようだが……。
あらすじ
生徒会の出し物はメンバーが学園の人気者ということで、アンナの提案でお芝居をすることとなった。
ただ、芝居をするにしてもそこには一つの縛りがあった。
それは男女逆転にすること。
つまり、グレイスやアンナが男を演じ、ヴィルジールたち男子は女を演じるというもの。
この縛りはグレイスの母、ジャクリーヌが学生時代作ったもので、当時も生徒たちから好評を博したようだ。
縛りは学園が定めたものではなく、守る必要はない。
しかし母が作ったものならば、娘の自分は守るべきだろう。
そう考えたグレイス(憲三郎)は男女逆転での芝居を主役のアンナ主導のもと進めていく。
アンナが全てを自分でしようとして、パンクしそうになったりもしたが、演劇部のフラン(フランセット)の加入で脚本なども整い、準備はおおむね順調に進んでいた。
演目は魔法により王子と平民の少年の意識が入れ替わるという作品。
王子役はグレイス、主役の少年はアンナが演じる事となった。
そこで問題が一つ発生した。
精神が入れ替わった後、グレイスは少年として演じねばならない。
しかし言語や振る舞いが全て上流階級のモノへと変換される優雅変換(エレガントチート)が発動し、少年のセリフを上手く話すことが出来なかったのだ。
感想
今回は文化祭の生徒会の出し物、王子と平民の少年が入れ替わる童話をもとにしたお芝居の準備から上演までが描かれました。
今回はその中でも、なんだか秘密を持っている様子のグレイスの母、ジャクリーヌが印象に残りました。
彼女は今回、グレイスが出演した作品の脚本(脚本のみで上演はされなかった模様)を手掛けていたり、生徒受けするだろう男女逆転の縛りを作っていたりと、まるで今後、グレイスが行うことを知っていたかのようにおぜん立てのような状況を作り上げていました。
作品は魔法の存在するファンタジーな世界。
ジャクリーヌはその魔法の力で未来を見たのか。
また、憲三郎の意識をこちらに呼んだのは彼女だったのか。
真実はわかりませんが色々、妄想がはかどりました。
まとめ
学園祭も終わり次巻はどんなことが起きるのか。
グレイスの中に引きこもったグレイスの魂がどうなるのかも、引き続き気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品はpixivにてweb版と雑誌連載版の一部がお読みいただけます。
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