シャンピニオンの魔女 4 花とゆめCOMICS
著:樋口橘
出版社:白泉社
世界に害悪をもたらす「成れの果て」
それに高い確率でなる可能性のある「呪いの子」リゼル。
彼をリゼと名付け弟子としたキノコの魔女ルーナは、その身に毒を持つ事で触れる事さえ出来ないながらも、彼に不器用な優しさで接していく。
そんなルーナの優しさに気づいたリゼは、彼女に魅かれていき……。
登場人物
精霊たち
白魔女は魅了を使い精霊たちに力を借りる。
その系譜であるリゼも精霊に好かれる事に。
なんというか、アイドルのファンな感じ。
毒生物
世界の毒を体内に摂取しすぎて、体が毒進化してしまった者たち。
瘴気を放ち、自らの毒で傷み苦しむ者が多い。
鳥、兎、カタツムリ等、様々な動物が毒生物になっている。
ルーナは苦しむ彼らに毒を吸い取る魔法布を与えていた。
風の魔法使い
黒魔法使いの参議の一人
関西弁の愚痴っぽい青年。
めんどくさがりで大雑把な印象。
あらすじ
その身に邪気をため込み、やがて成れの果てと呼ばれる怪物になる可能性を秘めた少年、リゼ。
そんな彼に表面上は師匠として厳しく接しながらも、内面からあふれ出す優しさはリゼに不安を与えた。
そんな不安もルーナの家に生えたシャベリタケの言葉で払拭される事となった。
ルーナは体はもちろん、その呼気にも毒を持つ。
リゼを慈しみながらも触れる事は出来ない。
それが原因でリゼに対し、ちぐはぐな行動を取っていたのだ。
それを知ったリゼは彼女に魅かれ慕い始める。
それはルーナの事を知るたび大きくなっていった。
そんなある日、リゼは精霊たちから話掛けられる。
精霊の話では自分と黒魔女であるルーナは力の質が違っているらしい。
白魔女の系譜であるリゼは、魅了を使い精霊たちから力を借りる事ができるようだ。
次々と話しかけてくる精霊達に戸惑いながらリゼは彼らの言葉に従い、ルーナに対する言葉に出来ない思いを歌にして解き放った。
感想
今回はルーナに対する想いを歌にしたリゼから始まり、お使いと毒生物、悲しみとナミダタケのお茶、リゼとルーナとキスの話、荒れる街とアンリとの再会、風の魔法使い等が描かれました。
その中でも今回はリゼのお使いと毒生物のお話が印象に残りました。
毒生物は登場人物紹介で書いたように、体内に毒をため込み体が進化(変化)した動物たちの総称です。
彼らは自らの毒で傷みや苦しみを持つ者が多く、ルーナはそんな彼らの毒を吸い出し、自らが織った魔法布(毒を吸い出し吸い取った毒を外に漏らさない)を与え彼らの苦しみを和らげていました。
そんなルーナの話を牛のミノスから聞いたリゼは、歌を歌い精霊からもらった願いの種の力で魔法布を取り寄せ、苦しむ鳥の毒生物にそっと掛けました。
夜なべして苦しむ者の為に布を織っていたルーナ。
そんなルーナの姿を見ていたリゼにも、彼女と同じ優しさが根付いているように感じました。
まとめ
この巻の終盤、魔法使いの参議の一人である風の魔法使いが登場しました。
世界に厄災をもたらす「成れの果て」とその因子を伝染された「呪いの仔」。
それに対処しているらしい、風の魔法使い。
ルーナに用があるらしい彼の目的は。
次巻も読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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