転がる姉弟(きょうだい) 3 ヒーローズコミックス ふらっと
著:森つぶみ
出版社:小学館クリエイティブ
父の再婚によって新たな母親ミツコと彼女の連れ子、光志郎(こうしろう)と暮らす事になった高校生の宇佐美ミナト(うさみ みなと)。
その明るくヤンチャな光志郎との日々を描いた作品。
登場人物
せりな
みなとの友人
黒髪ロングの美形な女子。
彼氏がとんがってる靴を履いていた事で別れた。
まふゆ
光志郎のクラスメイト
ツインテールの気の強い女の子。
女子グループのリーダー的存在。
チンポラップを歌う光志郎を糾弾する。
桜井晴希(さくらい はるき)
光志郎の以前の学校の親友
ツンツン頭の元気な少年。
光志郎が転校し、友人達とのノリが合わなくなった。
あらすじ
友人のせりなが、彼氏がとんがった靴を履いていたから別れたという話を聞きながら昼食を終えたその日、ミナトはバス停でバスを待つショウタに声を掛ける。
昼に話した、彼氏がピチピチのTシャツを着てたらどうするという話をしながらミナトは通学用の自転車を押してショウタと一緒に歩く。
やがて車の往来の殆ど無い道の信号機でショウタは足を止めた。
赤信号を律儀に守るショウタに、信号意味無いよね、わたろ~とミナトは声を掛ける。
だがショウタはこの信号を無視しないと決めているらしい。
ジンクスみたいなこと?
そう問いかけたミナトにショウタは小学生時代の事を話し始めた。
彼は全員に無視されるこの信号が可哀想だと思った時があって、それ以来ずっとこの信号が赤の時は待つようにしているらしい。
ミナトはじゃわたしもそうしよ! と一緒に信号を待ちながらショウタを見上げた。
ショウタもミナトと見下ろし、目の合った二人は気恥ずかし気に視線を逸らす。
「……ショウちゃん、好きだなー……」
「え……」
我知らず口にした言葉にミナトは慌て、自転車から手を放してしまった。
こけた自転車に構わず、ミナトはご、ごめん、なんでもない!と焦り告げる。
ショウタは倒れた自転車を起こし、歪んだ前かごを直しつつ「おれも好きだけど」と返した。
「えっと……それって……付き合ってもいいとゆう……?」
「……おれでよければ」
ショウタの言葉にミナトの顔は自然と笑顔になった。
感想
今回は冒頭、ミナトの告白とチンポラップ禁止から始まり、科学館と光志郎たち、初めてのデートとショウタのノート、光志郎と親友の桜井、迷子になった光志郎等が収録されました。
今回はその中でも桜井と喧嘩別れし、迷子になってしまった光志郎を探す人々の姿が印象に残りました。
作中、ミナトは最初それ程大事とは感じていませんでした。
ですが、母親の遺影を見て亡くなった母親を探す、幼い自分を思い出します。
そこに普通にいる筈の人がいなくなる感覚。
それを感じたミナトは祖父に留守番を任せ、自ら自転車をこいで光志郎を探し始めます。
そんな彼女の姿を見て、ミナトの中で光志郎は既に弟で家族なんだなぁと思いました。
また大勢の人が光志郎の身を案じ探す姿に、彼は愛されているなぁと感じると同時にそれは光志郎が皆を愛しているからなんだろうなと感じました。
まとめ
今回収録された、光志郎が親友の桜井に会いに行き、喧嘩して迷子になるエピソード、なんというか控えめに言って最高でした。
こちらは公式サイトコミプレにて一部無料で閲覧いただけます。
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