きみとピコピコ 4 KCデラックス
著:ゆずチリ
出版社:講談社
ゲームが好きな高校生、太田太一(おおた たいち)。
彼は所属しているゲーム部を訪れた部活動調査員、星空愛(ほしぞら あい)にゲームの良さを分かってもらおうと、ビクニン3をプレイさせる。
お酒やタバコ、ギャンブルと同じくゲームを中毒性の強い悪いモノだと認識していた愛だったが、プレイしたビクニン3によりゲームの魅力に取りつかれてしまい……。
登場人物
早乙女(さおとめ)
部長の男木のクラスメイト
黒髪ロングで眼鏡の少女。
部活には入らず、勉強に力を入れる事で男木と学力で並んだ。
勉強一筋だった事を少し後悔しているようだ。
あらすじ
再びゲーム部を訪れた部活動調査員、星空愛。
愛は、はぁはぁと荒い息を吐きながら、太一にアレをしようと迫った。
その様子は非常にアレで、太一と一緒に部室にいたアゲハは完全に引いていた。
責任取りなさいよ!!
そう声を荒げた愛は、太一がプレイさせたビクニン3によって完全にゲームの虜となっていたのだ。
それにより、実生活にも弊害が生じていた。
気が付けばシャーペンのノックをカチカチと押し、夢の中ではビクニンを引き連れモンスターと戦い、園芸部の花壇を見ればつい引き抜きたくなってしまう。
その全てがゲームの魔力に魅入られたせいだ。
「それなら我慢せずにゲームすればよくね?」
アゲハの言葉に愛は彼女をにらんだ。
「できるわけないでしょ。私の家はゲームが禁止されているのよ」
ゲーム依存症になった事を恥ずかしくて友人にも言えず、仮にゲームを手に入れても自分ひとりではやり方も分からない。
頼る者のいない愛は、自分にゲームの楽しさを教えた太一に助けを求めたのだった。
登場したゲーム
版権の関係か架空のゲームも多いので元ネタと思われる物を。
・剣星ドラゴンバスターDX
剣を振るとその動きが画面内と連動する。
剣神ドラゴンクエストがモデルと思われる。
体感型のゲームで楽しいが、非常に疲れる、インドアなオタクにはツラい仕様。
・しばいどう
多分「しばいみち」だと思う。
シーマンのマイク、シーマイクで振り当てられたセリフを言う。
セリフの音量やテンポなどで評価されるようだ。
……色んなゲームが出てるんですねぇ。
・ファミコン&スーファミオンライン
昔の名作ソフトがスイッチで遊べるサービス。
昔の買い取り型じゃなくて、サブスク的な感じか。
・魔界村
サタンに攫われた王女を取り戻すため、騎士アーサーが一撃で砕ける鎧を身にまとい、怪物のひしめく魔界村へと一人赴く。
一度跳ぶと着地まで制御できないジャンプ、クセの強い武器の存在、雑魚として登場するレッドアリーマー等のせいで非常に高い難易度となった。
・ミシシッピー殺人事件
船上で起きた殺人事件を解くミステリーアドベンチャーだが、何故かノーヒントの即死トラップが仕掛けられており、初見でのクリアーは恐らく不可能。
・エルナークの財宝
やった事もゲーム画面を見た事もないのでどんなゲームか不明だが、理不尽すぎるアクションゲームらしい。
昔のゲームって長く遊んでもらうためか、異常に難しいのが多いですよね。
・トランスフォーマー コンボイの謎
スタート直後、敵から放たれる弾が非常に見づらく、何故、死んだのかプレイヤーは理解出来ない。
一応、トランスフォーマーらしく車に変形出来る。
・スペランカー
探検家となり様々な危険の渦巻く洞窟を探検するアクションゲーム。
YouTube等で達人のプレイを見るのが楽しい。
自分でやると、開始1秒で死ぬ自信がある。
・RPGツクール
自分でRPGが作れちゃうクリエイト系ゲーム。
作れはするが、完成度を高めボリュームを出すためには努力と根気が必須。
・アーマード・コア
傭兵となり自分でカスタマイズした機体に乗り込み、様々なミッションをクリアーする硬派な3Dアクションゲーム。
弾薬の代金や修理費を報酬から引かれたりとシビアな作り。
・マリオメーカー2
エディット機能を搭載し、世界中の人が作ったコースを楽しめる横スクロールアクションゲーム。
自動でゴールする奴とか見ていて楽しかったです。
感想
今回は、冒頭、愛のゲーム依存症のエピソードから始まり、文化祭の劇と鶴先輩、アゲハとお買い物、スイッチでオンラインデート、キスを賭けてムリゲー、ゲーム部と文化祭、太一とRPGツクール、文化祭当日、太一とアゲハのデート等が描かれました。
作中、太一とアゲハはしょちゅう、イチャイチャしており、クラスメイトが言うようにアレで付き合っていないというのが信じられない状態。
てか、アレが付き合っていないなら、世のカップルでプラトニックな関係の人たちは全員付き合っていないよっ!
……まぁ、二人の関係は置いておくとして、今回はムリゲーの回が楽しかったです。
スペランカーはプレイした事があるのですが、どんなに頑張っても一面さえもクリアー出来なかった事を思い出しました。
ちょっと躓いただけで死ぬとか、根本的に彼は探検家に向いていないと思う。
まとめ
この巻のラスト、文化祭では花火が打ち上げられ始めました。
三年生の部長、男木は来年はもう学校にはいなくなります。
彼に想いを寄せる鶴はそれを男木に伝えられるのか。
次巻、どんな展開になるのか読むのが楽しみです。
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