DYS CASCADE ~ディス カスケード~ 2 KCデラックス
著:中川海二
出版社:講談社
管内で発生した猟奇殺人事件。
それを追うベテラン刑事、三坂重遠(みさか しげとう)と女刑事、宇賀田怜悧(うがた れいり)。
二人は警察署の駐車場に血と自身の左腕を残した男、馬場淳(ばば あつし)の残した12人の名前が書かれたメモについて調べながら、馬場の足取りを追う。
その馬場は怜悧の娘、真理(まり)に近づき……。
登場人物
吉野コウ(よしの こう)
今回起きた殺人事件と類似した事件を起こした犯人
出所後は名前を変え四国で働いている。
小畑(おばた)
W不倫を起こし警察を退職した男
黒髪顎鬚のおじさん。
退職前は三坂とコンビを組んで、様々な事件を捜査していた。
三坂は事件について何か知っていそうな雑誌記者、富浦(とみうら)の連絡先を得るため、小畑の下を訪れる。
冨浦靖(とみうら やすし)
小畑が起こしたW不倫をすっぱ抜いたフリーの雑誌記者
黒髪眼鏡で髭の男。
馬場から連絡を受け、彼と会うために指定された場所へ向かうが……。
馬場康子(ばば やすこ)
馬場の母親
白髪お団子の老婦人。
息子の馬場を冤罪で逮捕した警察に憎しみを抱いている。
三坂良樹(みさか よしき)
三坂の弟
黒髪の少年。
五十年前、草野球の最中、不審な男と接触。
三坂は友人の家に入ったカラーテレビを見るため、良樹に声を掛けその場を後にした。
その後、彼は遺体で発見された。
三坂はその不審な男を探すため、警察官になったようだ。
あらすじ
事件の重要参考人である馬場淳の残したメモ。
そのメモに書かれた12人のうち、二人の名前は新聞記事検索で引っかかった。
一人目、永谷祐佳子(ながたに ゆかこ)は行方不明者の情報提供を願う記事。
二人目の川辺涼香(かわべ りょうか)は今回の事件と同じく、太ももに傷があり手足を縛られた状態で失血死の記事で、遺体の膣内から犯人のものと思われる体液が見つかっていた。
体液あり以外は今回の被害者、古田美和子とほぼ同じ。
ただ、事件が起きたのは類似事件である広村千代(ひろむら ちよ)殺害も含め、三十年前だ。
馬場は今年31歳、つまり以前、起きた事件は別人の犯行と考えるのが妥当だ。
三坂たちの指揮を執る係長は、リストについてはひとまず置いておいて、馬場の足取りを追うことを優先させた。
一方、三坂達が追う馬場は怜悧の隣人、江戸が倒れた場に居合わせた怜悧の娘、真理と共に救急車に乗り込み病院へ向かっていた。
江戸の治療後、馬場は真理に自分が昔、怜悧に容疑者として事情聴取を受けた事を話し……。
感想
今回は馬場の残したリストに過去、古田美和子と同様の手口で殺された女性がいる事から始まり、真理に接近する馬場、真理の携帯での怜悧と馬場、三坂との会話、雑誌記者と元相棒、馬場の母親と三坂、三坂が刑事になった理由、馬場の死と雑誌記者などが描かれました。
馬場の残したリストに記されていた名前は、全員裏がとれたわけではないですが、どうやら猟奇殺人の被害者の模様。
あらすじでも書いたように、その殺人事件が起きたのは三十年前。
犯人は31歳の馬場とは考えられません。
終盤、命を絶った馬場は何を知っていたのか。
彼が左腕を切断し、事件を模倣する形で自殺したのは何故なのか。
古田美和子を殺害したのは馬場ではないのか。
続きが気になります。
まとめ
次回、三坂たちは警察OB、そして類似事件の犯人である吉野コウを訪ねるようです。
リストの人物、川辺涼香の事件に吉野が関係しているのか。
次巻も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。