よふかしのうた 14 少年サンデーコミックス
著:コトヤマ
出版社:小学館
幼馴染で友人のマヒルを吸血鬼の世界に引き込んだ女吸血鬼、キク。
そのキクからマヒルを引き離し、もう一度、仲直りするためコウは彼女との対決姿勢を強める。
マヒルの母を正気付かせ苦しめ、弱点でナズナを弱らせたキクにコウは怒りのまま襲い掛かる。
しかしキクはそんなコウをあしらい時間を稼ぎ、朝の訪れと共に動き出した人々の中に消えた。
コウはナズナの弱点だけは入手したものの、キクに翻弄されマヒルとは会えずじまいだった。
そんなコウの前に母、夜守ケイ(やもり けい)が現れ……。
登場人物
夜守ケイ(やもり けい)
コウの母親
ロングヘアーの女性
浮気した旦那と別れ、シングルマザーとして水商売で働きながらコウを育てる。
商売柄、コウとは接点が薄く、放任主義。
朝倉さくら
コウに告白してフラれた女の子
黒髪ロングの美少女。
明るく優しい性格。
ミチコ
さくらの友人
茶髪ショートの女子
さくらをフったコウを友人のサキと一緒に責め立てた。
藤原サキ(ふじわら さき)
さくらの友人
黒髪ロングの女子
修学旅行に参加するため、学校に登校したコウにミチコと二人、再び絡むが……。
あらすじ
家に帰ったコウは母親、ケイから今、何をしてるのかを問われ、思わず換気扇の下でタバコを吸う彼女の前で正座していた。
「あんた学校行ってないんだって? なんで?」
「……め……めんどくさくなったから」
視線をそらし気まずそうに言ったコウの答えに、ケイは吹き出し笑い声を上げた。
ケイは気にした様子もなく、自分も中卒だし別にいいんじゃないと告げた。
怒られると思っていたコウだったが、ケイは母親らしい事をしてやれない事に引け目を感じていた。
夜の仕事をしている母親とはすれ違いの多かったコウ。
コウが学校に行っている間、母のケイは眠っているし、学校から帰るころ、彼女は出勤するのだからおのずと接点は少なくなる。
その事を謝るケイにコウは言う。
これまでコウが学校にも行かず、思いのままよふかし出来たのは生活のリズムの違う母の存在が大きかった。
彼女が夜、家にいない事でナズナたちと出会えた。
自分は彼らの事が好きで、最近すごく楽しい。
だから、この環境に感謝している。
そう答えたコウに、
「なんか、それはそれでフクザツな話ねぇ……」
とケイは眉根を寄せた。
感想
今回はコウの母、ケイとコウの対話から始まり、修学旅行への参加の有無、マヒルの行先、久しぶりの登校とさくらとその友人、新幹線で北海道へ、新たな吸血鬼などが描かれました。
その中でも今回は北海道へ向かう新幹線の中、マヒルと揉めた友人たちと、陽キャを演じていたかつての自分を思うコウが印象に残りました。
コウはかつて明るく気さくなマヒルを真似、陽気でいい奴を学校では演じていました。
それもあり、さくらから好意を抱かれ告白されフり、その事が原因で学校に行かなくなりました。
マヒルは人気者だった兄を真似、コウはそんなマヒルを真似ていた。
マヒルもコウも学校での姿は本当ではなかった。
作中、コウは久しぶりに会ったクラスメイトから少し変わったとの印象を受けます。
それはナズナたちとの出会いで、自分を偽らなくなったからのように思います。
人間社会で暮らす以上、場の空気に合わせる事は必要なのかもしれませんが、同調圧力に迎合し過度に自分を抑え込み本音を隠し続ける事はやはり歪みを生むんだろうな。
エピソードを読んでいて、そんな事を思いました。
まとめ
この巻のラスト、なんだか面倒臭そうなイケメン吸血鬼が登場しました。
作中、探偵のアンコによって語られた、吸血鬼が持つかもしれない魅了の力。
その力を使っているっぽい、イケメン吸血鬼。
彼とコウがどうなるのか。次回も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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