ラ・マキユーズ LA MAQUILLEUSE ~ヴェルサイユの化粧師~ 4 ブリッジコミックス
漫画:みやのはる
原案・監修:堀江宏樹
化粧品監修:なつなつ@研究職
出版社:KADOKAWA
滞在していたパリのホテルから突然、過去にタイムスリップした化粧品会社の研究職、江藤琉花(えとう るか)。
その化粧品と知識を使い、フランス貴族たちの問題を髪結い師のレオナールと解決していた琉花は、いつしか東洋の魔法使いと噂されるようになる。
その噂は神聖ローマ帝国の皇太后、マリア・テレジアの耳にも届き、琉花とレオナールは誘拐されシェーンブルン宮殿へと赴くことになった。
そのシェーンブルン宮殿で琉花は猫に引掻かれ顔に傷を負った第11皇女、マリア・アントニアの治療を命じられ……。
登場人物
サン・ジェルマン
伯爵を名乗る謎の人物
黒髪長髪の青年。
不老不死とされ、未来の事も知る。
琉花に現代への帰還の道を示すが……。
ルイ15世
フランス国王
金髪巻毛の壮年男性。
今は亡き聡明なポンパドゥール侯爵夫人の影を追っている。
あらすじ
神聖ローマ帝国、第11皇女、マリア・アントニアの治療は第2皇女、マリア・アンナ(マリアンナ)の協力もあり順調に進んでいた。
マリアンナの口添えで皇太后、マリア・テレジアの温室への出入りと、そこで育てられている貴重な植物を使えた事で、琉花は肌に良い化粧水の制作にも取り組めた。
それには協力的な皇女、マリアンナの存在が大きかった。
体が弱く、病の後遺症で背骨の曲がったマリアンナは子供を産むことが出来ず、知識でしか家の役に立てないと考えていた。
そんな彼女にとって、現代の知識で妹を治療する琉花の存在は気持ちを前向きにするものだった。
彼女と協力するなか、琉花もマリアンナに親しみを覚えていた。
そんなこんなで、琉花のアントニアへの治療もひと段落し、彼らは報酬をもらい宮殿を後にすることとなる。
その別れの間際、マリアンナは琉花に未来(現代)へ帰還するヒントが得られるかもと、ある人物への紹介状を手渡した。
聡明なマリアンナは琉花の知識が当時の物とはかけ離れている事で、彼女が未来から来たのだと推測したのだ。
そんなマリアンナが紹介した人物、それは不老不死だとも噂される、サン・ジェルマン伯爵だった。
感想
今回は冒頭、皇太后、マリア・テレジアの温室から始まり、温室のアロエなどを使った化粧水の制作、マイカの情報による化粧品開発の進展、ハプスブルク家との別れとサン・ジェルマンとの出会い、琉花の身を案じ遭難したレオナールと未来へ帰る道、鉄仮面とエルクシールなどが描かれました。
その中でも今回は前回と同じく、第2皇女マリアンナが印象に残りました。
体が弱く、背骨が曲がったことで結婚を諦めているマリアンナ。
そんなマリアンナの事を、ハンガリーの大貴族エステルハージ家に連なるヴァランタンは慕っているようでした。
ウィキペディアで調べたところでは彼女は生涯独身だったようで、ヴァランタンとのロマンスはなかったようですが、個人的に聡明なマリアンナと真摯で真面目なヴァランタンのカップルは見ていて微笑ましく感じました。
物語は舞台がパリへと戻った事でマリアンナの登場はなさそうですが、彼女のその後のお話も読んでみたいと思いました。
まとめ
錬金術師、サン・ジェルマン伯爵からもたらされた未来へ帰るための情報。
琉花は現れるかもしれないというゲートを求め、パリ、ヴェルサイユ宮殿を目指す事になります。
国王ルイ15世が求めているエリクシール。
不老不死(アンチエイジング)の妙薬だというそれを琉花は作り出せるのか。
未来に帰るとしてレオナールとの関係はどうなるのか。
続きが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読みいただけます。
漫画担当のみやのはるさんのTwitterはこちら。
原案の堀江宏樹さんのTwitterはこちら。