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紛争でしたら八田まで 第十一巻 登場人物・あらすじ・感想

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ココア
紛争でしたら八田まで 11 モーニングKC

著:田素弘
出版社:講談社

地政学を用い世界各地で起きる問題の解決を生業にしている、地政学リスクコンサルタントの八田百合(はった ゆり)。
彼女が今回向かったのはコロンビア。
そこで八田はかつてゲリラの支配地域だったサンタ・セレステ村の支援策の提案を求められる。

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登場人物

ヴィト
NPO団体「C・P・C(コロンビア・ヘリテイジ・コミュニティ)」に参加した大学生
金髪アフロの陽気な青年。
チャラいがゲリラに追われた民衆の事を考え、NPOに参加した。
小説家志望。

アレハンドラ
ヴィトの警護を任された女性
金髪ロングにキャップの褐色の肌の女性。
銃とナイフの扱いに長ける。

シルビオ・エスカミラ
左翼ゲリラ国民解放戦線(FLN)の元最高司令官
赤髪白スーツのスマートな男。
政府と和平交渉を行い、組織を非武装化、合法政党化した。
田舎の自治体の長を務めたが、一年でリコール、辞任している。
現在は政治家として動いているようだ。

コルテス
左翼ゲリラ国民解放戦線の伝説的戦闘員
黒髪髭の男。
ゲリラ時代、シルビオの友人であり、相棒として武力面を支えた。
現在はゲリラの残党を率い、山に潜伏している。

ロルフ・シュミッド
スイスの高級会員制ホテル、ホテル・ル・クレー・モントールの総支配人
金髪くせ毛の男性。
ホテルが自殺を斡旋しているという噂の調査を八田に依頼する。

ディディエ
警察から転職したばかりの駆け出し探偵
黒髪髭の黒人男性。
市民団体からの依頼で自殺斡旋の疑いのあるホテル、ル・クレーを調査している。
スイスは安楽死を合法化しており、申請が通れば自死も可能。
ロルフの持つもう一つのホテル、ホテル・シュミッドが申請書類偽造に関与している可能性もあるとディティエは考えているようだ。

あらすじ

八田のコロンビアでの仕事は、コルドバ県の村に農業用水を引き直すプロジェクトへの支援策の提案。

目的地のサンタ・セレステ村は長く左翼ゲリラ「国民解放戦線(FLN)」の支配地域だった場所。
ゲリラは政府との和平に応じ、武装解除したものの、ゲリラ出入りの噂が消えず、未確認情報では国軍も動いてはいない。

誰もが怖がってプロジェクトは放置されたままだったのだ。

しかし、今回、大学生の青年、ヴィトが参加を希望し、プロジェクトは再び動き始めた。

八田の仕事は彼と警備役の元警官、アレハンドラに同行し、現地、サンタ・セレステ村を調査し、具体的な支援策を考える事だった。

八田達は飛行機でホセ・マリア・コルドバ国際空港まで移動し、そこから車でサンタ・セレステ村へと向かった。
飛行機なら一時間の距離だが、道中の高度差は2000メートル以上。
舗装されていない道を8時間かけて一行は村へとたどり着いた。

ゲリラの元支配地域と聞いて不安を抱いていた三人だったが、村は常に音楽が流れる明るい雰囲気の場所だった。

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感想

今回は五十年、暴力の連鎖が続いていた国、コロンビアのエピソードから始まり、安楽死が合法化されたスイスでの自殺斡旋の噂調査の始まりが描かれました。

今回はその中でも、コロンビア編で描かれた暴力の連鎖のお話が印象に残りました。

コロンビアは5000メートル級のアンデス山脈系の山々によって、人々は分断され生活しています。
その事で中央と地方は分けられる事になり、国の庇護を受けられない辺境の人々は武装し自衛するようになりました。

その武装の為の資金として麻薬の密造が行われ、それは武装解除した今でも生活の為続いているようでした。

武力による現状の変更。
その為の麻薬密造と兵力維持の為の誘拐。

作中、登場人物の一人はゲリラの残党を率いるコルテスの殺害を試みます。
それはヴィトによって止められますが、もし成功していたら、コルテスの息子(幼い少年)が今度は殺害者を殺そうと動き始めるだろうと語られました。

復讐に対する復讐。
それは次の暴力を生み出し、終わる事が無い。

憎しみを抑え込み、許し共に生きる道を模索する。
そうしないと続くのは終わりのない怒りと苦しみ、そして悲しさではないか。

エピソードを読んでいて、そんな事を思いました。

まとめ

次回はスイスでの自殺斡旋の噂調査の続きから。
安楽死が合法化された国で一体何が起きているのか。
次巻も読むのが楽しみです。

この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのJeser Andrade Arangoによる画像です。
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