青の島とねこ一匹 7 ヤングチャンピオン烈コミックス
著:小林俊彦
出版社:秋田書店
同僚教師の宮地(みやじ)から娘の葵(あおい)を預かった草太(そうた)と青(あお)。
翌朝、姿の見えなくなった葵を屋根の上で発見した草太達だったが、白神家での一日が楽しかったのか、葵はここに居ると言い出す。
そんな葵にいつ来てもいいからと青は告げ、彼女と二人、友人の雛(ひな)が持参したスイカを使い、ジャムを作ることにしたのだった。
登場人物
立花碧(たちばな みどり)
好感度No.1のアイドル
黒髪セミロングの目の大きな少女。
仕事漬けな毎日に嫌気が刺し、凪島で行われていた撮影現場から逃げ出してきた。
青の料理をとても気に入る。
彼女の母親である立花由貴(たちばな ゆき)は草太が青春時代にあこがれたアイドル。
うめ、もも、さくら
ミケの三匹の子供たち
うめとももは白猫、さくらは三毛猫で三匹ともメス。
名前は青の叔母、空子(そらこ)が引き取るまでの暫定的なもの。
あらすじ
白神家に居る。
そう言った葵と一緒に青はスイカのジャムを作り、草太の買ってきた食パンをトーストとフレンチトーストにして、その日の朝食を終えた。
葵を宮地に引き渡し、雛と別れた草太と青は帰り道、潮が引き、姿を現したご神体?(岩)へと立ち寄る。
そこで草太は青に教師になってみてはと提案した。
「家庭科の先生なんてどうかな、青ちゃんは成績いいし、料理も上手だし、それに……」
言いかけた草太を遮り青は「いやじゃ!!」と即答した。
青は自分が島に残るのが嫌なのかと戸惑う草太に詰め寄った。
「えっ」
「もしウチが大学へ行ったら、今の生活ができんようになってしまうかもしれんのよ」
「ええっ」
「誰が草太くんのゴハン作るんねっ!!」
「ああ……でも」
「もうしらんっ!!」
口ごもる草太を切り捨て、青は一人家へと向かった。
突然、言われたことで戸惑い、声を荒げてしまったが、その後、学校で宮地と話し、子供たちに絵を教える草太の様子を盗み見た青は、帰り道、夕立に振られ偶然草太と一緒になる。
そこで草太と改めて教師について話した青は、苦手だったトマトが食べられた事もあり、進路について決めつけず考えようと口にするのだった。
感想
今回は葵とのスイカジャムづくりから始まり、青の進路と教師という選択肢、アイドル、立花碧と青と島、子猫の観察日記などが描かれました。
その中でも今回は将来のお話とアイドル、立花碧のエピソードが印象に残りました。
青は高校三年生。
成績のいい青には無数の選択肢があるようですが、彼女は草太がいる凪島に残る事を決めていました。
この巻では、そんな青の進路に教師という道が現れます。
教師になるためには、島を出て大学に行かねばならず、結果、草太とは離れ離れになる事になります。
これまでは、それを嫌い進学はせず島に残ると言っていた青。
ですが、宮地や草太との対話、苦手だったトマトを美味しいと感じた事での変化により、青は決めつけることはせず進路を考え始めました。
青がどんな道を選ぶのか現状ではわかりませんが、仮に島を出て大学に行ったとしても、草太は凪島で家族として青をずっと待っているように思いました。
また、アイドル立花碧のエピソードについて。
碧は当初、暑くコンビニのない凪島での滞在を最悪だと愚痴っていました。
しかし、青の料理を食べ猫と戯れ、ゆっくりと虫の声を聴きながらお風呂に入り、夏の夜の空気を感じながら青と散歩し、その後ぐっすりと眠ったことでリフレッシュしたようです。
モノにあふれた東京で忙しく働く碧。
彼女にとって、刺激と情報に溢れた都会は息つく暇もない場所だったのではとエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
この巻のラスト、子猫たちを引き取る予定の空子が青たちの下を訪れます。
子猫たちとの別れが青の心に何を残すのか。
次巻も読むのが楽しみです。
この作品はマンガクロスにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。