ソアラと魔物の家 2 サンデーうぇぶり 少年サンデーコミックス
著:山地ひでのり
出版社:小学館
雷狼のバルトと人魚のマリエル。
種族を超え愛し合う二人が気軽に触れ合える家を作るため、ドワーフの魔界建築士キリク達は突貫で船を造船。
大海原で目的の素材を手に入れ、二人が安心して住める家を作り上げた。
その後、キリク、ガンショウ、ニコの三人のドワーフ、そして彼らの旅に同行する元魔物狩りの少女、ソアラは魔王城へと向かう事となるが……。
登場人物
鉄腕のゴライアス
魔王お抱えの三大幹部の一人
巨大な体躯を持つ一本角のオーガ。
韋駄天シバ
魔王お抱えの三大幹部の一人
馬頭のケンタウロス。
剣豪バラク
魔王お抱えの三大幹部の一人
一つ目で刃物の切れ味の触手を持つ魔物。
人間は三大幹部を危険視し、魔物狩りとして養成されたソアラに必ず仕留めるよう教育していた。
ハガン
魔王
真っ黒な二本の角と尖った耳を持つ長髪の魔族。
キリクの師匠に自分の城を作らせるが……。
華俵(かひょう)
建築士
黒髪ロングの人族の女。
キリクの師匠であり、魔界で魔物たちの家を作る旅をしていた。
ハガンに囚われ、彼の要望通りの城を設計するのだが……。
あらすじ
荒れた荒野が続く弱肉強食な大地、魔界。
その魔界を旅し、ソアラとキリク達は魔王城へとたどり着いた。
城は魔界の王として君臨する魔王にふさわしく、貴重な素材をふんだんに使った超高層要塞だった。
そんな要塞を作る事が可能な権力と力を持った魔王が、一流の腕を持つとはいえ一介の建築士であるキリク達に何の用があるのか。
その事に怯えつつ、キリクは師匠の作品だという魔王城に感動し探索しつつ、あゆみを進めた。
襲撃を警戒したソアラだったが、広大な魔王城に魔物の姿は無く、無人の城を進み、やがて一つの扉の前へとたどり着いた。
その扉から邪気を感じたソアラは警戒しつつ扉を開けた。
視線の先には玉座に座る甲冑姿の魔物が。
しかし、甲冑の中身は空っぽで、ソアラが感じた邪気は甲冑に残留していた魔王の気だったようだ。
どういう事だ?
そんな疑問を抱きつつ、一行は玉座の後ろ、更なる上階へと続く階段を上り、やがて屋上へとたどり着く。
暗く立ち込めた雲の上、青空の下には、茅葺の家が日の光に照らされていた。
感想
今回は雷狼のバルドと人魚のマリエル、異種族カップルの家作りから始まり、無人の魔王城、屋上の日本家屋と田んぼと畑、魔王ハガンと建築士華俵、魔王の頼み事等が描かれました。
今回はその中でも華俵が作った魔王の家についてが印象に残りました。
豪華で希少な素材を使い築かれた高層要塞、魔王城。
しかし、そんな豪華絢爛な要塞でも、ハガンの心は満たされる事はありませんでした。
それはやはり、力を背景にした権力により、華俵を働かせ部下に作らせた物だったからではないでしょうか。
どんなに豪華で巨大であっても、労せずして手に入れた物に愛着は感じられない。
逆に粗末で質素であっても、懸命に作り上げた物は宝になりえる。
ハガンはその強大な力ですべてを簡単に得てきたようです。
しかし自分自身が努力して掴んだ物でなければ、人は思い入れを持つ事は出来ないのかもしれません。
エピソードを読んでいてそんな事を考えました。
まとめ
魔界の陸・海・空を牛耳る三大帝。
ハガンが穏やかになった事で、支配が及ばなくなったその三体の魔物の家をキリク達は作る事になるようです。
三大帝がどんな魔物なのか。
次巻も読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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