ディノサン DINOSAURS SANCTUARY 2 BUNCHコミックス
作:木下いたる
監修:藤原真一
出版社:新潮社
死亡事故が原因でブームの去った恐竜。
そんな恐竜を生体展示する江の島ディノランドに飼育員として入園した須磨すずめ(すま すずめ)。
恐竜が大好きでやる気一杯のすずめに先輩飼育員の海堂(かいどう)はブームが終わる切っ掛けを作った死亡事故について語る。
登場人物
山賀(やまが)
海堂が新人時代の先輩飼育員
長髪口髭の男性。
アロサウルスのイチゴとの距離感を誤り、工事の音に驚いたイチゴに攻撃され死亡した。
ベンケイ
トロオドンの赤ちゃん
刷り込みによりすずめを親だと認識する。
体が小さく群れに馴染めない場合は研究所に送られる事になる。
すずめはそれを回避する為、工夫を重ねるが……。
松本(まつもと)
恐竜好きの高校生男子
友人の滝沢と気になっている女子、平山の三人で江の島ディノランドへ出かける筈が、滝沢がドタキャンした為、平山と二人でディノランドを廻る事になる。
平山(ひらやま)
松本の同級生
黒髪ロングの美少女。
星野くるみ(ほしの くるみ)
江の島ディノランドのしい飼育員
黒髪お団子の女性。
すずめと同郷らしく仲がいい。
竜脚類担当。
あらすじ
ある日の朝、出勤したすずめは海堂が事務所裏の木々に囲まれた塚にいるのに気付く。
竜の塚、そう名付けられた塚には事故や病気で亡くなった恐竜が眠る墓なのだという。
死体は研究所に送られるので、実際に灰や遺骨は収められてはいないが、海堂は塚で手を合わせる事を日課としているようだ。
その日の祈りを終えた海堂はおもむろに昔、ディノランドにいたアロサウルス、イチゴについて話し始める。
海堂が新人だった15年前、彼は先輩飼育員の山賀と二人、イチゴの世話に当たっていた。
イチゴは神経質で臆病で特に音には敏感に反応する個体だった。
その日、糞の処理をしていた海堂に山賀は運び忘れたイチゴの餌を取って来るように命じた。
大型に対しては二人一組が原則だ。
海堂はルール違反だと指摘するが、山賀はイチゴは人を襲う様な子では無いと言い、海堂に早く餌を取って来いと苛立った様子で再度、指示をだした。
研修中の海堂は山賀の言葉に逆らえず、不安を感じながら餌を取りに走った。
おりしも園内は修繕工事中、重機が地面を掘り返す等、常ならぬ音が響いていた。
海堂が餌を持ってイチゴの獣舎に戻る際にも、パイプが落ちる大きな音が響いた。
その音に驚きつつ、海堂がイチゴの檻に戻るとそこには血まみれで倒れている山賀と、興奮した様子のイチゴの姿があった。
感想
今回は十五年前、恐竜ブームを終らせ、結果的に恐竜復活の立役者だったすずめの父を死に追いやったイチゴの起こした事故のエピソードから始まり、トロオドンの赤ちゃんベンケイとすずめ、高校生カップル松本と平山、老齢のティラノサウルス、花子の誕生日等が描かれました。
今回はその中でも赤ちゃん恐竜のベンケイが可愛くて印象に残りました。
トロオドンは比較的小型の恐竜で、羽毛を持ちどちらかと言えばダチョウの様な鳥に近いイメージの恐竜です。
なのでその赤ちゃんのベンケイもルックス的に鳥の雛に似ていました。
ただ、やはり彼は恐竜であり、飼育の為、家に連れ帰ったすずめは目を放した隙に部屋を荒されたりしていました。
その様子も疲れてすずめの傍らで眠る様子も、飼い猫が子供だった頃、悪戯盛りで暴れていた頃を思い出させ、読んでいてすずめにとっては大変な状況ですが、何だかホッコリしてしまいました。
まとめ
この巻のラスト、試用期間を終えたすずめは各班を回り、所属先が決まる事になりました。
次巻ではまだ登場していない園内の恐竜が登場するのでしょうか。
どんな恐竜が描かれるのか、読むのが楽しみです。
こちらの作品はコミックバンチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
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お読みいただき、ありがとうございました。