天国大魔境 5 アフタヌーンKC
作:石黒正数
出版社:講談社
不滅教団とリビューマンの争いに手を貸したキルコとマル。
二人はその不滅教団の中心人物、自死した宇佐美が握りしめていたボタンに刻まれたマークが、キルコの持つ銃にあるエンブレムと同じ物だった事を頼りに同じマークの建物、高原学園の入っていたビルに辿り着きます。
一方、高原学園で暮らすトキオはコナの子供を身ごもり隔離されました。
登場人物
十一(じゅういち)
女性が支配する町で精子を提供し、奴隷として生きて来たと語る男
無精ひげで卑屈な感じの胡散臭げな男。
車を持ち廃墟を漁る事で生計を立てているようだ。
学園長
高原学園の学園長
自らの目的の為、青島、トキオの子供も利用しようとしている。
青島(あおしま)
高原学園の保険医
トキオの妊娠にいち早く気付き、その功績で学園長からLEVEL4の権限を付与される。
あらすじ
胡散臭い男、十一にカモにされそうになりながらも、キルコとマルはかつて高原学園の入っていたビルに辿り着いた。
その廃墟でキルコ達は高原学園の施設が茨城と奈良にある事を突き止める。
現在の場所は東京上野分室。
歩いて行くとなるとどちらも相当の距離だ。
こんな事なら十一の車を取っておけば良かったとぼやくキルコに、逃げ出したと思われたその十一が取引を持ち掛ける。
彼が話したいくつかの話。
その中で女の支配する町で種豚として飼われていたというのは本当の事だった。
彼は町で精子を提供させられ、自分の息子の十五(じゅうご)を育てていた。
十一達はその幼い十五を連れて町から脱走する計画を立てていた。
しかし計画は決行してすぐに露見。
逃げ延びたのは十一一人で、一緒に逃げた仲間の二人は見せしめとして町を囲む壁に吊るされたそうだ。
話を聞いたマルは十一に同情し、町の様子を見て来てやろうかと口にしていた。
話を聞いた時は、キルコがほら話だと断定しうやむやになっていたが、どうやら彼の話は真実だったようだ。
移動手段を手に入れたいキルコとマルは、十一の話に乗り町に潜入する事にしたのだった。
感想
今回はキルコとマル達は、高原学園の施設に向かう為の足を確保するためかつて女性至上主義の町があった廃墟を探索し、色々あって結果、車を手にいれました。
一方、妊娠していたトキオは無事子供を出産。
しかし高原学園の学園長は自らの年老いた体の移植先として、昇格させた青島、そしてトキオの子供を狙っていました。
現状で学園長が言う天国が何なのか謎のままです。
彼女が脳移植で延命してまで求める天国とは何なのか、そして瓜二つであるマルとトキオの関係は何なのか。
謎は謎のままですが、お話は少しづつ核心に迫っているようです。
まとめ
この巻のラスト、キルコは幼い頃、キルコになる前に憧れていた稲崎露敏(いなざき ろびん)と再会します。
キルコを見て驚愕の表情を見せた露敏の思いとは。
次巻もとても楽しみです。
この作品はアフタヌーン公式サイトで第一話が無料でお読み頂けます。
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