ダンダダン 7 ジャンプコミックス
作:龍幸伸
出版社:集英社
桃(もも)の幼馴染、ジジの実家の地下に巣食っていた大蛇は滅び、呪われた家の件には一応の決着がついた。
しかし地下にいたもう一体の妖怪、邪視はジジに取り憑いてしまった。
全てを呪い、人間の抹殺を考える邪視をその身に宿したジジは、冷水を浴びると邪視が、お湯を浴びるとジジの人格が浮上する厄介な状態となっていた。
モモの祖母、星子(せいこ)はジジの持つ霊力を使い、邪視を抑え込む方法を考えるが……。
登場人物
囃子(はやし)
四人組のロックバンド
多分、モデルはXJAPAN。
その奏でるサウンドで妖怪の心にも音を響かせ、祓いの儀式を補助する。
音楽室の怪
著名な作曲家たちを真似た妖
強さを求め小学校に侵入したオカルン達を、音の爆弾を使い苦しめる。
あらすじ
水だけではなく、常温の液体が一滴、体についただけでジジは邪視に乗っ取られ家を破壊するほどの力で暴れ回った。
何とかお湯をかけ、正気に戻したものの、邪視は徐々に力を増しておりほどなく抑えられなくなる事は全員予想がついた。
だが、人間の生活に水は必須だ。
飲料としてだけではなく、手を洗ったり、口をゆすいだり。
ともかく、水はいたるところで使われている。
そのすべてを回避する事は不可能だろう。
モモたちが限界を感じる中、星子の家に奇抜な恰好の四人組が訪れる。
ヴィジュアル系のロッカーにしか見えない彼らは、星子が呼んでいた囃子だった。
囃子の到着で、星子は邪視祓いの準備を整え、さっそくジジの体から邪視を祓う事にした。
「おはらいだあああ!!」
ヴォーカルの叫びを合図にドラムが打ち鳴らされ、ギターとベースが唸り、ヴォーカルが叫ぶ。
爆音が鳴り響く中、星子が祝詞を上げると、邪視が入り込んだジジの体は大きく跳ねた。
感想
今回はお湯で正気に、水で邪視に変わる様になってしまった(どこかで聞いたことのある設定)ジジの対処についてから始まり、お祓い、ジジの願い、モモのバイト、強さを求めるオカルン等が描かれました。
その中でも今回は邪視のお祓いのエピソードが印象に残りました。
囃子の力もあり、邪視のお祓いは成功しかけます。
しかし、ジジ自身がお祓いを止めてほしいと懇願したため、星子は強制的に祓う事を止めました。
ジジはかつて迫害され、最終的に人柱にされた邪視の記憶を見ています。
彼はただ、村の子供と遊びたいと願った邪視が、このまま消えるのを良しとしませんでした。
読者として、ジジと同様に邪視が邪視になった経緯をしる者としては、ジジの気持ちも分からなくはありません。
しかし、顕現すれば人間を根絶やしにしようとしてくる邪視との共存は、ターボババアやアクロバティックさらさらよりも難しく、なによりジジの意識が封じ込まれる事が問題で……。
邪視を抑え込むため、特訓を始めたオカルンとアイラ。
自分の体がモモを傷つける事に悩むジジ。
物語がどんな落としどころを見つけるのか。
邪視は恨みを捨てる事が出来るのか。
次の展開が気になります。
まとめ
今回、モモは邪視の暴走で壊れた家をリフォームするため、メイド喫茶でバイトを始めました。
その姿をオカルンに見られ赤面するモモが、なんだか可愛かったです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品は少年ジャンプ+で一部無料でお読みいただけます。
作者の龍幸伸さんのTwitterアカウントはこちら。