焼いてるふたり 8 モーニングKC
著:ハナツカシオリ
出版社:講談社
クリスマスイブの前日、先輩デザイナー、宇佐美(うさみ)と伏見(ふしみ)の二人と家飲みをし二日酔いになった千尋(ちひろ)。
チキンを仕込み、千尋とのクリスマスディナーを用意していた健太(けんた)は、自分以外と二日酔いになるほど楽しめるんだと彼女にきつく当たってしまう。
その後、料理をしながら心を落ち着けた健太は、自分の気持ちを見つめなおし、自分が宇佐美達に嫉妬していたのだと気づく。
健太は帰宅時の言動を千尋に謝罪、千尋も羽目を外したことを謝った。
お互いに反省をした二人は気持ちを切り替え、クリスマスディナーを楽しむ事にした。
登場人物
上野八重子(うえの やえこ)
千尋の父、誠一郎の交際相手
ユルフワショートの老婦人。
亡くなった母を慕う千尋は父が彼女と付き合う事に反発するが……。
あらすじ
健太が用意したのはチキンをメインとした、まさにクリスマスのごちそうというものだった。
健太に言われドレスアップした千尋は、丁寧に下拵えされローストされたチキンに舌鼓を打つ。
そうして食事を楽しむうち、窓の外にはいつの間にか雪が降っていた。
千尋は窓を開け健太の腕に抱き着き身を寄せる。
「子供のころ、クリスマスってさみしいものだったんです」
そのころ千尋の母は入院しており、幼い千尋は父と二人、母のいないクリスマスを過ごす事となった。
その事で父にもワガママを言って困らせたりしたものだ。
今はもう平気なんですけど。そう言って笑う千尋の手を健太はギュッと握った。
「さみしくないですよ」
無言で手を握った健太の横顔に目をやり、千尋は優しく微笑んだ。
感想
今回は冒頭、クリスマスのディナーから始まり、冬休みと大掃除と煩悩、かくし芸大会とすき焼き、初詣とおみくじ、誕生日と思い出の店、千尋の父と交際相手、焚火動画と北欧料理などが描かれました。
今回はその中でも父親の交際のエピソードが印象に残りました。
自分の親が誰か別の人を好きになる。
千尋の父は妻である千尋の母を早くに亡くしているので、再婚自体はなんの問題もありません。
しかし、作中、千尋が語ったように、父親が母以外の誰かを好きになる事に抵抗を覚えるのも分からなくはありません。
千尋は、母が暮らした家にほかの女性が入り込むことで、大好きだった母が父の中で過去のものになるように感じたのではないでしょうか。
エピソードを読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
今回のラスト、二人は初のキャンプに出かけます。
これまでBBQなどで色んな物を焼いてきた健太でしたが、本格的なキャンプは初めてのようです。
二人の初キャンプがどんなものになるのか。
そこでの料理は。
次回も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。