三十路病(みそじびょう)の唄 4 芳文社コミックス
作:河上だいしろう
出版社:芳文社
30歳、高校の同窓会で再会した六人は意気投合。
諦めきれない夢を追う為、仕事を辞めシェアハウスで暮らし始める。
今回はその中の一人。
自分の店を持つことを夢見る女性、おかんのエピソードから始まります。
登場人物
店長
以前、おかんが働いていたカフェのオーナー
白髪の年配男性。
年齢的な事もあり引退し店を閉めようと考えるが……。
あらすじ
イベント出店の手伝いでチキンカツサンドを作ったおかん。
そのイベントで手伝ったcafe minamiのオーナーから閉店を考えているとおかんは聞かされる。
店長は年齢的に無理が効かなくなってきた事、メニュー削減や時短営業などの延命措置は柄じゃないことを理由に、すっぱりと店を閉める事にしたようだ。
そんな話を聞いたおかんは、店長に店を譲ってもらえないかと申し出る。
おかんの言葉を聞いた店長は、そうしてもいいかもしれないと呟く。
だが、その後、疑念もあると続けた。
25年続けて、お客の信頼を積み重ねてきた店だ。
人に任せてその信頼を損ねるような事にはしたくない。
不安で託しがたい。
そう言った店長に、おかんは間違いなく「縁」だとも思えると食い下がる。
必死に訴えるおかんの様子に、店長は一か月あげるから、自分が描きたい店を考えてごらんと課題を出した。
感想
今回は自分の店を持つことが夢であるおかんのエピソードから始まり、チュンとマッチングアプリの男、こぎりが決断した新たな生き方などが描かれました。
その中でも、今回は店を譲ってほしいと提案したおかんのエピソードが印象に残りました。
作中、おかんは店長がつく上げた店のコンセプトを守りながら、新たな自分の店の形を彼に提案します。
しかし、その提案は受け入れられず、店の譲渡は白紙となりました。
エピソードを読んでいて作中、ラスボスが言ったように店ありきの話では、おかんの店にはならないような気がしました。
店長が作り上げた基礎を守れば、それはおかんオリジナルにはなりえないし、おそらくその基礎が足かせとなり、彼女が本当にやりたい店は出来ない気がします。
譲渡話が白紙となりおかんは一か月を無駄にした事を後悔していましたが、結果的に良かったのではと個人的には感じました。
まとめ
今回の終盤、芸人のこぎりは自分の夢に区切りをつけ、新たな道を歩き始めました。
お笑い芸人でありながら、真面目すぎる一面を持つこぎり。
シェアハウスの住人の中で彼が一番、難しい道を歩いていたような気がしていたので、少しホッとしました。
こちらの作品はコミックトレイルにて一部無料で閲覧頂けます。
作者の河上だいしろうさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。