フシノカミ 辺境から始める文明再生記 コミカライズ版 2 ガルドコミックス
漫画:黒杞よるの
原作:雨川水海
キャラクター原案:大熊まい
出版社:オーバーラップ
村の子供たちと山菜取りに出掛けたアッシュは、前世でも重宝した有用植物アロエを見つけた直後、何者かに突き飛ばされ崖から滑落。
その後、朦朧した状態で山中を彷徨い正気に戻った時には、自分がどこにいるのか分からなくなっていた。
自分は遭難したのだ。
そう気づいたアッシュは村への帰還を目指し、本から得た知識でサバイバルを始め……。
登場人物
バン
ノキュラス村で唯一の猟師
黒髪で無口な不愛想な男。
熊も出る村の近くの森深くへ入り猟をする、森のスペシャリスト。
狩猟肉の提供や害獣の排除などの他、有用な野草についても詳しい。
フィルターニャ
ジキルの姉
銀髪そばかすの少女。
村の新しい産業、アロエの軟膏作りに参加する。
亡くなった両親は養蜂を営んでいた。
あらすじ
アッシュの遭難は村の住人たちにも衝撃を与えた。
森の奥には熊も生息している。
もしアッシュが遭遇していたら、死は免れないだろう。
そんな事態を想像した村長の娘、マイカは声を上げて泣き崩れる。
神官のフォルケはそんな彼女の前にしゃがみ、そんなに泣いたらアッシュが帰って来た時に泣く分が無くなると彼女を慰めた。
フォルケ自身、知恵の回るアッシュが簡単に死ぬ筈はないと思っていた。
しかし、三日たってもアッシュは見つからず、捜索は打ち切られ村では彼の葬儀の準備が進んでいた。
その葬儀の準備を取り仕切った村長婦人のユイカも、アッシュの生存を信じたい気持ちはあった。
だが、いかに賢くても子供が一人で森で三日も生きられるとは思えない。
葬儀を任されたフォルケはやってもいいが、終わった後で帰ってくる可能性もとユイカに話す。
「……帰ってきてくれたら、いいんですけれどね」
フォルケにそう返しながら、ユイカは彼の気持ちを胸の中にとどめるように願った。
期待を持たせると余計に辛くなる。
ユイカの言葉に同意しながらフォルケは思う。
彼にはアッシュが死んだとは思えなかった。
アッシュなら本で読んだ知識と知恵で生き延びる。
そう思えてならなかったのだ。
「ユイカさん、やっぱりもう少し待ってみませんかね」
フォルケがユイカにそう告げた時。
「あの……何があったのでしょう」
声の主に視線を向ければ、そこには集まった村人に困惑気味のアッシュが立っていた。
感想
今回は冒頭、遭難したアッシュの葬儀と帰還から始まり、猟師バンとの出会い、アロエ軟膏の開発と実験、軟膏の完成と村人との軋轢、村長婦人ユイカとアロエ軟膏事業、フィルターニャと養蜂の本、アッシュとジキルなどが描かれました。
今回はその中でもユイカが危惧した、アッシュと村人との軋轢が印象に残りました。
真っ当な努力で成功を収めても、やっかみや嫉妬はついて回ります。
どうしてあいつだけが、何かズルをしている。
そんな感情は現実世界でも多く存在しているように思います。
この巻では村長婦人のユイカが主体となり、アロエ軟膏の利益を村の貧しい者達(未亡人や病気の家族のいる者)に雇用を与え拡散する事でアッシュへのヘイトを軽減していました。
人の心に聡いユイカがいなければ、村内でのアッシュの立場は確実に悪くなっていただろうな。
収録されたエピソードを読んでいて、そんなことを思いました。
まとめ
今回はフィルターニャの家が代々守ってきた養蜂の本が登場しました。
アロエに続き、様々な利用価値のある蜂の飼育。
少しずつ豊かになっていくノキュラス村。
次回はどんなモノを作り出すのか、読むのが楽しみです。
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