ナナシ ~ナくしたナにかのさがシかた~ 5 ヤングキングコミックス
漫画:片山愁
原作:藤野晴海
出版社:少年画報社
怪異を見る事ができる少年ナナシと、彼と出会った事で見える様になったハルのもう戻れない日々を綴ったお話です。
お互い相手を大事だと思いながら、傷つけ合い別れてしまったハルとナナシ。
その別れはそのまま永遠の物となり……。
あらすじ
ナナシに謝れないまま、ハルは謝罪の機会を永遠に失った。
その事に強い後悔を抱いていた彼は、ナナシの墓に向かいそこでナナシの叔父であるレイジと出会う。
レイジはナナシが死ぬ直前まで一緒に暮らしていた。
彼はハルを自宅に招き、ナナシが使っていた部屋をハルに見せた。
そこにはハル達の写真や、授業中に回したメモがコルクボードに張られていた。
日常の何気ないやり取り、一緒にいればいくらでも作れたモノ。
そんなモノがナナシにとってはとても大切なモノだったのだ。
どうしてもっと、ハルの中に後悔が溢れ、それは涙となって瞳から流れ落ちた。
そんなハルにレイジが一冊のノートを手渡す。
それはナナシが死ぬ直前まで書いていた日記だった。
感想
今回はナナシの日記から始まり、会長と日記、ハル会長の家に行く、太陽と墓参り、アキヤマの初恋、ヤナギとトモダチ、ナナシとの別れ、幸せな夢とエーデルワイス等が収録されました。
ナナシは転校しハルと再会する事無くこの世を去りました。
お互いに謝ろうと思っていた二人。
この巻ではハルの後悔と本当の別れが描かれました。
多感でナイーブな時代を共に過ごした親友との日々、最終話ではそれは後悔に満ちたモノでは無く、とても大切な記憶へと変わっていた様に感じました。
忘れられないのではなく、忘れたくないモノに彼の中で変わったのかなとラストのエピソードを読んでいて、そんな事を思いました。
まとめ
作品はこの巻で完結。
淡く儚い、一瞬だけど永遠の日々、そんな印象の作品でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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