THE GAME STERS ザ・ゲームスターズ 1 モーニングKC
著:オノ・ナツメ
出版社:講談社
イーストサイド、高級住宅街に居並ぶ老舗アパートの一つでドアマンとして働く初老の男、ハワード。
彼はアパートの住人の一人、エリカが危険なカルトに近づいている事を知り、同じくアパートの住人である能力を持つ男、グラントにエリカを助けるため協力を頼むが……。
登場人物
ハワード・シュルツ
高級アパートのドアマン
金髪眼鏡の老人。
アパートの住人、エリカを救うため同じくアパートの住人、グラントに協力を要請する。
思っている事と逆の行動を相手に取らせる能力の持ち主。
グラント・ムーア
アパートの住人の一人
灰髪顎鬚の鋭い目つきの老人。
会社の経営者。
ガラの悪い連中と付き合うエリカを毛嫌いしている。
相手の嘘を見抜く能力の持ち主。
エリカ・ジョーンズ
アパートの住人の一人
金髪ロングの少女。
幼いころ、グラントの犬にシャボン玉を吹きかけ、それ以来、冷たくあしらわれトラウマになっている。
ヘザー・ウィルソン
アパートの住人の一人
赤毛の女性。
何者かに殺害される。
エマ・ロジャース
アパートの住人の一人
金髪ショートの美女。
アパートの住人の調停役。
探偵
黒髪無精ひげの青年。
ヘザーの浮気調査中、彼女が殺害され容疑者として手配される。
聞き込みをしたハワードに、無実の証明をしてほしいと情報提供を理由に脅迫する。
あらすじ
気難しく偏屈な男、グラント・ムーア。
彼を店に誘ったハワードがエリカの事を口にすると、グラントは関係ないと言ってすぐに席を立とうとした。
そんなグラントに関係はあると話をつづけた。
以前、ハワードがバーで飲んでいると落ち込んだ様子のエリカの声が聞こえてきた。
何をやっても上手くいかない。
両親も自分には期待してない。
ネガティブな自分にイヤになっているエリカ。
そんな後ろ向き思考の始まりは、同じアパートに住むグラントだった。
幼いころ、彼の連れた犬と遊ぼうとエリカはシャボン玉を吹きかけた。
それ以来、グラントは彼女の謝罪を受け入れず、ずっと冷たく毛嫌いしている。
ネズミ以下、そう自分を卑下するエリカを話を聞いていた友人らしき女がサークルに誘う。
「居場所を見つけたのよ。仲間のいる、ね」
もしかしたらカルトかもしれない。
ハワードはそう言って、エリカを助けようとグラントに話した。
しかしグラントは自分には人を嫌う自由があると、エリカを助けるつもりはないと宣言した。
「一度『悪い子』のレッテルを貼られた人間は、名誉挽回はできない?」
「私からの好感度は問題じゃない。あの娘は自分から過去に縛られているだけだろう? 忘れればいい。犬にやったことは忘れないが」
後ろ向きな事はエリカの問題。
そこから立ち直るのも、個人でなすべき事。
許すつもりはなく、関わる気もなさそうなグラントにハワードは言う。
「自分が過去に犯した過ちについては?」
そう前置きして、ハワードは42年前、ラスベガスで大勝ちしたある男の事を話し始めた。
感想
相手の思っている事と逆の行動を取らせる能力を持つおじさんと、相手の嘘を見抜くことが出来るおじさん。
特殊な能力を持つ二人が、そりは合わないながらも身の回りで起きる事件を解決していくクライムミステリー。
ドアマンのハワードは元傭兵で、アパートで働いているのはアパートの住人に関係している様子。
一方のグラントは人嫌いでハワードとの関りを拒絶しながらも、強引なハワードに巻き込まれる形で事件に関わっていきます。
ハワードが追っている案件が何なのか。
彼が口にした相棒とは。
今後の展開が気になります。
まとめ
主人公のドアマン、ハワードが中々にしたたかで、ツンツンなグラントが文句を言いながら手を貸す展開が楽しかったです。
今後、二人が相棒と呼べる関係になるのか、そのあたりも楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。