ゆうやけトリップ 1 芳文社コミックス/FUZコミックス
著者:ともひ
出版社:芳文社
新聞部の幽霊部員、蜷森茜(になもり あかね)は最近学校で流行っている心霊スポットの取材担当者として、くじ引きで抜擢されてしまう。
恐いのが苦手な茜はその日の放課後、重い気持を引きずりながら教室へと戻った。
その教室には転校生の雨村藤乃(あめむら ふじの)が一人残っていて……。
登場人物
蜷森茜(になもり あかね)
新聞部部員
フワフワお団子の小柄女子。
壁新聞の夏の新連載、「心霊スポット町内レポート」の取材担当に抜擢される。
恐いのは苦手。体力自慢で足が速い。
猫好き。
雨村藤乃(あめむら ふじの)
茜のクラスメイト
黒髪ロングで涙ボクロの長身女子。
茜に付き合い放課後の心霊スポットを巡る事になる。
物静かな雰囲気の女の子。体力はない。
猫好き。
あらすじ
一人で心霊スポットに行くのに尻込みしていた茜は、思い切って藤乃を誘ってみた。
物静かで話しかけ難い雰囲気のある藤乃だったが、今回の心霊スポットである「幽霊とすれ違うトンネル」に向かう道中、話していると穏やかで優しい藤乃の声で茜の心は安心を感じていた。
そんな事を思いながら辿り着いたトンネルは、夕暮れの街にポッカリと暗く沈んでいた。
早速トンネルに入った二人は、トンネルの真ん中、電灯の切れたその場所で向こうから近づいてくる足跡を聞く。
トンネルの出口に目をやれば、外からの光の中に人影は無い。
しかし足音は確実に近づいてくる。
これってまさか本当の幽霊の……。
立ち止まり身を竦めた二人だったが、足音は唐突に消えた。
聞こえなくなった……?
そう呟いた茜の隣で、藤乃が風の音に気付く。
トンネルを出てみれば、今通って来たトンネルの隣に別のトンネルの姿があった。
どうやら二つは通気口で繋がっており、隣のトンネルを歩く人の足音が響いていたようだ。
真相が判明し、な~んだとホッと笑みを浮かべた茜が視線を上げると、そこにはなじみ深い商店街の屋根が覗いていた。
道一本それただけで知らない町みたい……探検した気分でちょっとドキドキしちゃったよ~。
そう話す茜に藤乃もそうだねと笑い掛けた。
感想
夏の夕暮れ時、放課後の町で心霊スポットを巡る二人の少女の物語。
この巻では第一話の「幽霊とすれ違うトンネル」の他、異界に迷い込むループ階段、血が垂れ落ちて来る生首神社の鳥居、鳴き声が聞こえる夕陽丘の空き地、水面に幽霊が佇む六骨池、死後の世界が見える宵闇団地の雨宿りの木の六話プラス、号外編が収録されました。
タイトルだけだとかなり怖そうですが、内容は本当にほのぼのしていて、小学生や中学生時代の放課後に見た夕日を思い出しました。
まとめ
夕方の心霊スポット巡り、淡い光の中で巡るそれは、不気味なんだけど懐かしく、読んでいて感想に書いた様に子供の頃を思い出しました。
こちらの作品はCOMIC FUZにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。