魔導の系譜 コミカライズ版 5 BLADEコミックス
漫画:イヌヅカヒロ
原作:佐藤さくら
出版社:マッグガーデン
小説「真理の織り手」シリーズのコミカライズ版
鉄の砦の総帥、ランバートの処刑。
それは導脈を持ち生まれたラバルタ王国の第三王子アスターに離反を決意させた。
彼は同行していた鉄の砦の魔導士たちに身分を明かし、魔導士に対する不当な扱いに抗議するため、反乱軍に加わるよう声を上げる。
そのことに戸惑い残る者も出たが、約七割はアスターとともにカデンツァに向かうこととなった。
一方、ゼクスの師匠、レオンもリール村を後にし戦場へと向かうのだが……。
登場人物
エステン
ラバルタ騎士団が新たに創設した魔導士部隊の指揮官の一人
白髪でモノクルの老人。
ゼクスと対峙し敗れた。
彼を倒したことで、反乱軍内でのゼクスの名声はより高まることになる。
ヴィー
反乱軍の女戦士
赤髪の弓使い。
気さくな性格でゼクスにも分け隔てなく声をかける。
アルド
ダザの町の魔導士ギルドの親方
レオンの兄弟子。
ラバルタ軍に魔導士達を送り、自身もマーハ要塞奪還のため、町を出る。
ル・フェ
隻腕の老魔導士
白髪で鋭い目をした老婆。
長年暮らしたエレアッドの町を守るため、義勇軍を立ち上げる。
レオンを治療術師として義勇軍に受け入れる。
シュゼ・フラセット
ラバルタの隣国エルミーヌの貴族
黒髪の青年。
反乱軍の指導者エドガーとは学生時代の友人。
反乱軍への支援する事と引き換えに見返りを要求する。
あらすじ
強力な魔導の力と確かな操魔技術によって、ゼクスは反乱軍の中でも一目置かれる存在となっていた。
その日も敵の指揮官、ラバルタ一と名高い魔導士エステンを返り討ちにし、ゼクスは反乱軍内で大魔導士と呼ばれ始めていた。
しかしいくらゼクスが有能であっても、兵力や物資の量は如何ともし難い。
反乱軍の指導者エドガーと魔導士達のリーダー、アスターは隣国エルミーヌに支援を求めていたが、今もって色よい返事はもらえてはいなかった。
「切り札を切るときかもしれないね」
そんなエドガーの言葉に、アスターは苦悩しながらも決断を下した。
感想
今回は冒頭、ラバルタ王国魔導士部隊との戦闘から始まり、アスターの決断、レオンと兄弟子、ゼクスの迷い、エレアッドのル・フェと義勇軍、エヴァンの死、シュゼとの会談、アルカの町の殲滅、暴走と復習の刃などが描かれました。
今回はその中でも死と破壊を繰り返すゼクスと癒しと再生を行うレオン、対照的な二人の姿が印象に残りました。
ゼクスはセルディア人という出自と、導脈を持つ魔導士であることで虐げられた過去を持ち、そんな状況を正すことを掲げたアスターに協力しています。
しかし、彼に命じられたのは町の殲滅、非戦闘員を含めた全住民の殺害でした。
戦い続けながらも命を奪うことにずっと苦悩しているゼクス。
一方でレオンは死に場所を求め、治療術師として傷ついた人々を癒し続けていました。
敵味方に分かれた師弟の道はいつか交わることになるのか。
その事でゼクスの迷いは昇華されるのか。
次巻も読むのが楽しみです。
まとめ
この巻の終盤、ゼクスは町の住民である少年に刺される事になりました。
住民や少年に母親やかつての自分を見たゼクス。
彼は今後も戦い続けることが出来るのか。
そのあたりも気になるところです。
この作品はMAGCOMIにて一部無料でお読み頂けます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。